一次面接の結果は何日くらいで来るものでしょうか?面接の中で「結果は一週間頂戴いたしますので」と言われる場合がありますね。遅いな、落ちる理由があったのかな・・などと不安になります。
さんざん待った挙句に「今回は残念ですが・・あなたのご活躍をお祈りしております」とお祈りメールがくることも。
実際はどのような理由でこのようなことが起こるのでしょうか。また、30代の転職応募数が驚きの結果でした。こちらも必見です。では一緒に勉強していきましょう。
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面接の結果が遅いのは理由がある
ここでは人事の採用担当としての経験と、求職者としての経験の両方をあわせてお話をいたします。一次面接は通常、最終面接に比べて多くの候補者をパスさせます。候補者をなるべく多く確保するためです。
このようにして母集団を作ります。応募者の約半数をパスさせる、というイメージでしょうか。その為、一次面接の選考結果は面接担当者が決裁権限を持っておりスピーディに結果がでる傾向が有ります。
その上で、面接の結果が遅いというのは理由が有ります。では見ていきましょう。
理由1 企業側の理由
人気企業かそうでないかによっても違う
人気企業の場合、単純に選考に時間がかかっている場合が有ります。候補者が5人しかおらず、そのうち3人の候補者をパスさせるという会社であれば、結果が遅い場合はNGという可能性が高まります。
なぜならば、企業側は「ほしい」と思う求職者になるべく時間を与えたくないという心理があります。スピーディな展開で自社に惹きつけ、他の企業に行かせないためです。しかし、人気企業の場合は膨大な応募が来ることもあります。
沢山の応募者の中から年齢や履歴書の印象で落とすという泥臭いことをして数を調整します。新卒の場合は「学歴フィルター」と呼ばれる手法も使われます。学歴フィルターとは学校名で書類を通過させたり、落としたりするという悪名高い選考方法です。
これは企業側の採用負担を減らすためという理由があります。多くの候補者がいる企業は選考の過程で時間がかかるのはある意味仕方ないこと。すべての候補者が終わってからでないと結果を通知しないケースも有ります。
50人面接をして、25人くらい確保しておきたい、という企業側のそろばん計算も有りますので、結果通知が遅いということは至極当然のことと言えるでしょう。
ここで、採用担当者の目線になって考えてみましょう。あなたの会社では求職者を三段階評価をしているとします。
- ○:すぐにでも合格を出して確保する
- △:1週間後に全候補者の結果がでてから全体の状況をみて決める
- ?:ルールどおり、1週間後にバツの連絡をする
あなたがもし、連絡の通知が遅い、一週間待たされている場合、企業側で△の評価になっている場合が有ります。
中小企業の場合は少し違います。特にBtoBの会社で一般的に知名度が低い会社は上記のようなロジックは適用されません。そもそも応募自体があまり来ません。その為一つのポジションへの応募がどんどんきて困ってしまうということはありません。
この場合はワザワザ母集団全体を見てから結果を出す、ということはまずありませんので結果は早めに出るでしょう。私が求職者として活動していた時も合格の場合はその日に通知がくるケースが多く遅くとも次の日に結果が出るイメージでした。逆に、一週間待って合格というケースはありませんでした。
ただしこれはあくまでも傾向です。大企業は母集団を形成して時間をかけて選考、中小企業はピンポイントでスピーディに選考、という傾向があるというくらいに思っておけばよいかと思います。
理由2 エージェント側の理由
エージェント側の理由もあります。不合格がでているにもかかわらず、エージェントがあなたに紹介しようとしている他の求人を探しており、時間がかかっているケースもあるようです。
エージェントも人間ですから、不合格通知をするのは大変なストレスです。がっかりされるより「え!ほんとですか?やったー」という喜ぶ候補者の顔を見たいわけです。
求職者としても不合格が続くと求職活動へのモチベーションがすこしづつ下がっていきます。そのまま、エージェントとの関係が切れてしまう、ということもありますので、エージェント側としてはなるべくそうならないように、次の案件を用意しているということも裏事情として知っておいても良いでしょう。
一次面接に落ちる理由は?
では、一次面接で落ちる理由を書いてみます。落ちる理由は一つではないことが殆ど。さまざまな要因があります。
1)準備不足によるもの
準備不足によるものには以下の4つがあります。それぞれ準備をしておけば対策可能なものばかりです。しっかりと抑えておきましょう。
- 転職理由が不明確
- キャリアプランが明確でない
- スキルが不足している
- 応募先企業の状況を把握していない
転職理由が不明確
企業側の立場に立って考えてみましょう。転職理由を一番最初にかきましたが、最も聞かれる質問の一つですね。企業側はなるべく長く働いてほしい。その為に時間とお金と労力をかけているのです。
せっかく採用しても辞められたら大きな損失。退職理由をしっかり聞き取るのはそうした理由があります。
キャリアプランが明確でない
キャリアプランが明確になっていない、ということも、落ちる要因としてはトップにはいりこんでくることです。なぜならば、社会人としてある程度のキャリアがあって、自分のスキルや経験を売りにして転職活動をしているわけですから、応募先企業でどのような人生を送りたいかということはある程度明確に語れないとだめでしょ、ということです。これは至極当然のことと思います。
また、少し視点を変えると、企業側は応募者の実現したいことをかなえられるかどうか、という視点もあります。
熟練の面接官は、面接中に「ちょっと違うな」と思って心の中で不合格を決めても「せっかく当社にきてくれたので、あなたにアドバイスを」というスタンスで色々なお話をしてくれる方も有ります。
私も活動中に、結果としてNGになっても、面接官の良心を感じるような面接が何度か有りました。このような面接官に共通しているのは、応募者が叶えたいとおもっていることに当社は応えることができるのかという視点です。
企業は応募者を選考する視点を持っていますが、応募者からも選ぶ場であるという考えも持っておくべきでしょう。
スキルが不足している
これは言わずもがなですが、ポジションに必要なスキルを満たしていないとみなされると落とされます。
応募先企業の状況を把握していない
一次面接は志望の意欲が低くても問題ないことがあリますので、応募先企業の状況を把握していなくても問題視されないこともあります。
上記は最終面接までに志望度合いを高めていけばよいという考えの企業ですので、一次面接で担当者が「我が社はこんな会社で、このような状況であるので募集をしています」という説明をしてくれる会社も有ります。
しかし一次面接から「なぜ我が社に応募したのですか」と切り出す会社も当然あります。これは応募者の志向性を確認していると考えるとよいと思います。何を思って何をしたくて当社に応募してくれたのか、ということを聞きたいのですね。
2)面接での印象によるもの
- 自信がなさそう
- 考えが幼い
- 会話が成り立たない
- 挨拶ができない
- くらい印象
- マニュアルどおりの受け答えしかできない
自信がない、というのはすぐにわかりますね。話すときに目を合わせない、などもそうです。そもそも転職はあなたのスキルと経験を買ってもらうという取り組みです。ここを腹落ちしていないとダメです。
あなたは自信を持って面接に臨む必要があります。面接官が「この人なら活躍できそうだ」というイメージをもてなければ採用にはなりません。
しかし、一方であなたは企業を選択している立場でもあるのです。ここを理解していないと、軸のない転職活動になってしまいます。まずは自己分析をしっかりしましょう。
自己分析についてはこちらの記事に詳しくかきましたので、併せてどうぞ。
これ、役にたちます。こちらの記事でもかきましたが、「行動習慣ナビゲーター」の佐藤伝氏が提唱する9マスメモです。左記のサイトで紹介されているものはアプリですが、必ずしもアプリを使用する必要はありません。
私はエクセルで実施しましたが、自分の10年後の有りたい姿や、退職理由、キャリアの軸を考えました。強力に頭の中が整理されます。
参考までにDLのリンクをのせておきます。これは実際に私が使用して頭の中が非常にすっきりし、面接でも強力に役に立ち、今の会社に入りました。クリックでダウンロードできますので自由に使ってみてください。
面接の場で「あ、自分の分析は不十分だ」と気づくこともあります。この時こそチャンスです。どんどん不安要素を潰していきましょう。
話がそれましたが、表情が暗い、というのは練習でクリアできます。鏡の前で模擬面接を実施してみましょう。
面接中はニコニコするくらいでよいです。ニコニコすることが悪印象につながることはありません。ましてや「ニコニコしすぎ」などいう理由で落ちることはありません。「ニヤニヤ」はだめですが。
マニュアルどおりの受け答えしかできない、ということはあなたの人柄がみえてこない、ということですね。企業はよくわからない人物に内定をだせませんので、自分をよく把握し、セルフプレゼンテーションの達人を目指しましょう。
3)その他の理由によるもの
- 家が遠い
- 転勤に後ろ向き
- 家庭の状況など
なんだこの理由、というものです。能力、人柄が同じレベルの候補者がいる場合、遠い人と、転勤も辞さない、ウェルカムです。という人がいたらこのような条件面での勝負になります。このような要因で合否が決まることもあるんです。
結果通知が遅い理由まとめ
いかがでしたでしょうか。上記の理由をみると、結果通知が遅い理由は、人気企業かそうでないか、という要因が大きそうですね。人気企業の場合は時間がかかって合格通知がくる、というスタイルも当然あるでしょう。
しかし、ある程度、採用活動経験を積み重ねた企業の場合、一次面接では採用担当者が即OKを出すことも多いことを考えると、合否通知が遅い場合はNG率が高いと考えたほうがよさそうですね。
しかし腐ることはありません。転職は相性でもありますから、転職活動は続投してください。どんどん応募して内定を勝ち取りましょう。
さて、一次面接を通過したら次は二次面接が控えている場合が有ります。二次面接についてはこちらに書きました。よろしければあわせてごらんください。
では次に30代の平均的な応募数をみていきたいと思います。
30代の転職、応募数が意外にも12.8社(→20.1社に)
以下は2017年に書いた内容。30代の転職の応募数は以下の資料を参考にしました。
https://doda.jp/guide/manual/3/01_003.html
DOOAの調査によると30代の平均は12.8社。
※2015年10月~12月の間にDODAエージェントサービスを利用して内定を得た人のデータを元に算出
DODAを通じて内定を得た人の数字をもとに算出しているようです。12.8社、というのはすこし少ない印象です。
2020/7/17追記
さて、この記事はその後何度も更新しております。現在は2020年7月です。平均転職回数はすこしづつ増えています。
2017年 12.8社
2019年 18.1社
2020年 20.1社
https://doda.jp/guide/oubo/heikin/data/#movingPosition03
まとめ
- 人気求人かそうでないかで結果の通知スピードは変わる
- 結果が遅い、一週間待っている場合は企業側で△評価か、?評価になっている可能性あり
- 一次面接で落ちる理由は沢山あるが自己分析で多くの場合は乗り切れる
- 30代の転職で応募数は平均12.8社とでているが、実際はもっと多いハズ
応募者数が多ければ多いほど、企業側の採用にかかる負担は大きくなります。採用はよい人材の取り合い。スピードが勝敗を左右します。そのため、「よい、うちにきてほしい」と思われたら企業側は即日や翌日に合格通知をだすことがあります。
「結果通知に一週間」という言葉どおりに一週間まっている場合はさっさと次の企業に応募しましょう。
また30代の転職、応募数は実際は12.8社から20.1社になっていました。30代転職が当たり前。動量に応じて結果が伴います。納得のいく転職を成就させたいですね。
さて、一次面接を通過したら次は二次面接が控えている場合が有ります。二次面接についてはこちらに書きました。よろしければあわせてご覧ください。