環境が整えばマネジメントは不要になる?
この記事はPodCastの内容をまとめたものです。
Anchorはこちら
https://anchor.fm/shunsuke-takama/episodes/ep-efnf0i
SoundCloudで聞くにはこちら
本日は大阪市生野区にあります株式会社 リゲッタ さんをご訪問させていただきました様子をお届けしたいと思います。
リゲッタさんの紹介
株式会社リゲッタさんは靴の会社さんでございます。ソールが非常に特徴的なサンダルや靴を作っておられるのですが半端じゃなく歩きやすい靴なんです。
私も一足買いました。この会社さんの理念が楽しく歩く人を増やすということなんですが、私毎日このテレワーク期間を利用して、朝 淀川沿いを歩いてますその時にこのリゲッタさんの靴を履いて歩いてるんですが、全く疲れません。
ソール全体が丸みを帯びていて、横から見ると つま先部分が上に沿っている。とても特徴的な ルックスのシューズが多いです。 このソールは歩きやすさの秘訣のようです。 かかとから地面に設置してつま先まで自然と体重移動ができるような設計になっている。
歩いてても全然足が痛くない。まさに楽しく歩くことができる靴。
以前紹介した記事です

アドバイスを全くしない会社運営
お邪魔してから3時間、私たちにお付き合いいただきました。
話の内容はちょこちょこと勝手にメモを取らさせて頂き、 後で見返してみるとほとんどが社員の成長の話だったことに気づきました。
とても社員を大切にする社長で、ご自身の人間感がとても伝わってきたことが印象的でした。
例えばとくに印象的な言葉が二つありましたので紹介したいと思います。
- 待つことで進める
- チームが成長するには、-新しいことをやる、あるいは何もしない。
今日はこの二つのことをテーマにお話をしてみたいと思います。
待つことで進めるというのはまさに言葉通りなんですが、例えばチームが停滞をしているというのを傍から見たら感じたあなたならどうしますか。
アドバイスをしますか?あるいは声をかけてみるのも良いかもしれません。
どんな声をかけるのでしょうか。
「何で行き詰まってるの?何が問題なの? そっか頑張ってるね、ありがとう、楽しみにしてるからね。」
あるいは
「そんなことか、それやったら来ないしたらええねん、そんな簡単なこともできんのかい?」
くらいの声をかける方もおられるかも分かりません。
しかしながら高本社長の人間観としては具体的なアドバイスはしない。 遠回りだな、こうしたらいいのになあと思っていても、あえて黙っている。その間にだんだん成長して、できるようになってくる。
そうすると結果的に近道になっているんだそうです。この話を聞いた時に私は特に家庭での子育て思い出しました。子供をつい叱ってしまう自分がいます。
12歳の息子がおり、私から見るとちょっとだらしない部分もあるのですが、 小さい時からこうしろああしろと答え的なことをよく言っていました。
しかし息子がそれにしたかったことは一度もありませんでした。なんでなんだろう、としばらく思っていましたが、息子が5年生ぐらいの時から、こう考えるようになりました。
本人が変わりたいとか、 こうしなければと思わなければ他人からのアドバイスは効果を発揮しないということです。特に家庭では感情が入りやすいので言い方がきつくなったりしがちですよね。
あなたには、もしかしたらお子様がおられるかも分かりませんね。誰しも少しぐらい身に覚えがあるのではないでしょうか。
私自分を、納得させるために本人がああなりたいと思った時が来るまで待とう、と決めているため具体的なアドバイスは一切しません。
子育ては仕事と違うので何か一つの目的に向かって力を合わせるということはありませんが、 時間が人間を成長させるということもあるんだろうなということを改めて再認識したエピソードだったと思っています。
もう一段踏み込んで考えてみるとリゲッタさんの場合はおそらく社員の方がものすごくモチベーションが高い環境があるのではないかと思っています。
仕事を楽しいと思える要素は人によって大きく違うと思いますが、何をするかもさることながら、どんな環境でどんな人と働くかというところも一つの仕事の楽しさの大きな要素ではないかと思います。
環境をつくると自然と人が育つ
リゲッタさんの環境はやはりこの社長の高本社長の人間観が組織に大きく影響を及ぼしているのではないかと推察しました。
そのような環境を作っておられるからこそことで成長することが実現するのだろうなと思いました。
つまり環境づくりが整うと、 人間の成長は約束されたようなものなのかも分かりません。
ドイツ出身の心理学者でクルトレヴィンという方がいました。この方は行動科学の理論として、 クルトレヴィンの法則という理論をまとめた方としてもよく知られています。
Google で調べてみられると良いかと思うのですが、クルトレヴィンの法則とは、 人間の行動は本人の性格や能力だけではなく場の環境にもかなり大きく影響を受けるんだ、 ということを表しました。
つまり解釈としては何か成し遂げたいことやこうなりたいことがある場合はそれが成し遂げやすい環境に身を置くということが近道であるということです。
行動するには環境の影響は大きく受けるはずです。多くの方がお子には納得しやすいですよね私もそうです。
つまりリゲッタさんの場合は環境がすでにできている、だからこそ待つことで仕事を進めるという離れ業ができるんだろうなと思いました。
さて二つ目チームが成長するには新しいことがあるあるいは何もしないことも効果的であるということです。
高本社長の語る言葉はご自身の経験にもとづいていることも多く、このことは私も実感しました。新しいことをチームで行うときは手探りだったりメンバーの知恵を借りたりなんとなく持ち寄りパーティー的な楽しさがありますよね。
チームで新しいことをする時は、協力しなければ新しいことを成し遂げることがなかなか難しい。
色んな意見を出しながらあーでもないこーでもないという時間は皆が同じ方向を向いている時間に他ならないですし、 まさに協働ということですよね。
分業が仕事が洗練された結果 、 タスクをABCに分け、それぞれに割り振っていくっていう考え方に基づいているのに対して、共同は力を合わせて一つのタスクをこなしていくという仕事がまだ洗練されていない状態だと思います。
こういう仕事って楽しいですよね今はどうか知りませんけれども昔は結婚式で二人の共同作業です何て言いながらケーキにナイフを入れるということが一般的にやられていましたよね。
二人で同じ仕事を力を合わせるという姿はとても美しいですし、共同もしやすいのではないかなと思います。
バーベキューなんかもそうですよね。肉を用意する人、野菜を切る人、食器を用意する人、慣れてる人がいると指示を出したりすることもあるかもわかりませんが、あまりバーベキュー慣れしてない人ばかりが集まると、 あーでもないこーでもないという議論も発生するし、 みんな肉を早く焼きたいから協力する姿勢が顕著に表れますよね。
とここまで見てきた中で、自分の人生の中での経験と照らし合わせてみると、 あーなるほどなと気付きがたくさんいただける3時間だったかなと思っています。
社長の人間観= 会社の組織文化に直結するものだと思いますし、社員同士が協力しながら真摯なものづくりを進める社内の雰囲気が伝わってくるような、爽やかな3時間でした。
最後は、私の所感なんですけれども会社組織というのは、得てして労働者にとって特に日本は、我慢、忍耐、 迎合、 同質化、 無気力、思考停止、 などを生み出しやすい仕組みになっていると思っています。
なぜなら終身雇用制でヒエラルキーがあって長い時間をかけて組織を中で成功すると、 人間は保守的になると思いませんか。 そうすると人間の欲求は獲得した利益や権限を何としても守りたい、それが人情ではないかと思います。
しかし、少数ながらも、 大事にする価値観が社員そのものや、社員の成長を 楽しむ、こんな経営者も世の中にはいるんだなとしみじみと感じました。ではまた。