
春は、就職・転勤・進学等で引っ越しシーズンですよね。そんな時に忘れてはならないのが住所変更です。今回はもし健康保険証を住所変更するときの手続きについてまとめました。またた、裏面は手書きで訂正して大丈夫なのでしょうか?
また、新たな職場で働き始める人も多い春。職場が変わったら、健康保険証は返却しないといけません。
他県に引っ越して、「健康保険証を返却し忘れた!」となったら焦りますよね。そんな時、便利なのが郵送での返却です。添え状の書き方もあわせて、見ていきましょう!
住所変更をしたら手続きを忘れずに

住所変更をしたら、健康保険証はどのような手続きをするのでしょうか。これは国民健康保険と「国民健康保険以外とで住所変更は大きく手続きが変わります。
結論を先に言うと国民健康保険の方以外は会社が手続きをしてくれるので特に特別な手続きは必要ありません。
国民健康保険のほうは引っ越しの際は以下の内容をさっと目を通していただくと幸いです。
国民健康保険の場合
他の市区町村への住所変更
1)旧住所の市区役所での手続き
お住いの市から他の市への住所変更には以下の2つの手続きをします。
- 市区役所で転出証明書をもらう
- 市区役所で国民健康保険喪失届を提出
上記の手続きは国民健康保険証が必要になるので、同時に行うことが出来ます。
一般的な必要書類は以下です。
- 本人確認書類(免許証など)
- キャッシュカード、または通帳
- マイナンバーカード
- 印鑑
- 健康保険証
キャッシュカードは保険料の納付を口座振替にしているからです。マイナンバーは番号を記入する箇所があることから必要です。土曜や日曜でも提出を受け付けている場合があります。あなたのお住いの自治体のウェブサイトなどで確認するのがよいでしょう。
2)新住所の市区役所での手続き
以下の2つの手続きをします。
- 市区役所で転入届を提出する(転出証明書を準備しましょう)
- 市区役所で国民健康保険証の加入手続き
準備するものは引っ越し前とほとんど変わりません。ただこの手続きは国民健康保険証を喪失してから(転出届を提出してから)14日以内に行わないといけないので忘れないように注意しましょう。
同一市内の他の区への住所変更
同一市内での住所変更でも手続きが必要です。たくさん届けに関する語句が出てくるのでややこしいですが以下に整理します。
転入届:転入先の行政に提出する
転出届:転出元のの行政に提出する
転居届:同じ市区町村内での転居の際に提出する
ここで使用するのは転居届です。
- 新しく住む区役所に行き、転居届の手続きをする(住所変更した日から14日以内)
- 新しく住む区役所の保険年金業務担当に行き、国民健康保険の住所変更をする
必要書類は以下です。
- 本人確認書類(免許証など)
- キャッシュカード、または通帳
- マイナンバーカード
- 印鑑
- 健康保険証
参考までに大阪市のURLを貼っておきますね。
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000369734.html
同一市内に住所変更する場合はシンプルですね。
14日以内で出来なかったらどうなるのか?
- 最長2年間にわたって国民健康保険の保険料を納付することになります。
- 医療機関にかかった場合、保険の適用が届出日からになる場合もあります。(つまり保険に加入していない期間は10割負担となるということです)
- 督促状が届くことがある
保険無加入期間の医療費が保険適用外になるというのはとても怖いですよね。医療費の10割負担というのは案外びっくりする額になるものです。14日間というのは意外と短いものなので、 忘れずに転入転出届を行いたいものです。
国民健康保険以外の保険加入の場合
会社員の方で社会保険に加入している場合は、会社が手続きを行います。特に社員は手続きをする必要がありません。
メジャーなパターンである、協会けんぽの健康保険+厚生年金保険加入の場合、会社は社員から申し出があったら、速やかに「被保険者住所変更届」を日本年金機構へ提出します。その社員に被扶養配偶者がいる場合は併せて手続きをします。
参考サイト:http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/hihokensha1/20150320.html
この時、同一都道府県内の住所変更なら、古い保険証は再発行の手続きも必要なくそのまま利用できますが、違う都道府県の住所変更なら、新たに保険証が発行され、古い保険証は返却します。あなたに全国転勤がある場合は注意してくださいね。
ちなみに、親が社会保険に加入している学生で、進学のために住所を変更した場合は特に手続きが不要です。病院でもし住所が違うことを指摘されたら「進学で来ています」と言うだけで大丈夫です。
裏面の手書き訂正は本当に大丈夫?
住所を変更してそのまま健康保険証を利用できるといっても、住所を記載する欄をそのまま使用して良いのか気になりますよね。
ネットでも「手書きで修正するだけで本当に大丈夫なのか」という不安の声がよくみられます。
しかし、住所を変更したら、御自身で二重線で消して、備考欄か余白に新住所を書くだけで大丈夫です!
既に何度も訂正して新たに書く場所が無い!という場合はシールや修正テープで訂正して下さい。これでOKです。たとえば、協会けんぽのHPには以下のように記載があります。
Q2:住所が変わりました。手続きはどのようにするのですか?
A2:都道府県内で住所を変更する場合と、都道府県外に住所を変更する場合で手続きの方法が異なります。都道府県内で住所を変更する場合
「任意継続被保険者氏名・住所・性別・生年月日・電話番号変更(訂正)届」をご記入のうえ、協会けんぽ支部にご提出ください。保険証は継続して使用しますので、添付の必要はありません。保険証裏面の住所を訂正してご使用ください。都道府県外に住所を変更する場合
「任意継続被保険者氏名・住所・性別・生年月日・電話番号変更(訂正)届」をご記入のうえ、転入先の住所地(新住所地)を管轄する協会けんぽ支部にご提出ください。後日、転入先の住所地を管轄する協会けんぽ支部から変更後の保険証等をお送りします。住所変更前の保険証等は、変更後の保険証等が届きましたら、返納いただくこととなります。
出展元:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat650/r325#q2
また、ご加入の健康保険組合によっては申請すると新しい保険証を発行してくれるので確認してみてください。
余白がなかったり書き込むスペースがなかったりする場合はシールなどをペタッと貼ってその上から書いても大丈夫です。
健康保険証の返却は郵送も可能

会社を退職した場合、健康保険証は手渡しで速やかに返却するのが基本です。ただ、退職時にバタバタしていたり、退職前に有給消化していて出社するタイミングが無いなど、何らかの理由で直接返却するのが困難な場合ってありますよね。
この場合、健康保険証は郵送で返却することも可能なんです。ただし、普通郵便では送らないこと。健康保険証は大事な身分証明証なので、郵便トラブルで無くなってしまったら大変です。
そこで、送る際は「記録が残り、賠償額が定まっており、対面受け取り出来る郵便」で送るようにしましょう。では複数ある選択肢をそれぞれみていきますね。
健康保険証の返却は簡易書留がベスト!
郵送での返却にはどのようなものがあるのでしょうか。下記にまとめてみました。
一般書留で返却する場合
一般書留とは、引き受けから配達までの送達過程を記録し、万一、郵便物等が壊れたり、届かなかった場合に、実損額を賠償する郵送方法です。
参考URL:http://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/kakitome/
簡易書留で返却する場合
簡易書留とは、一般書留に比べて、料金が割安な郵送方法です。賠償額は原則として5万円までと決まっています。簡易書留では引き受けと配達のみを記録する簡易な方法です。
参考URL:http://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/kakitome/
普通郵便で返却する場合
普通郵便とは、そのまま封筒に入れて送る郵送方法です。前述したとおり、記録が残らないので健康保険証の返却にはオススメしません。
クリックポストで返却する場合
クリックポストとは、自宅で運賃支払手続きとあて名ラベル作成ができ、全国一律164円で運賃で荷物を送れる郵送方法です。郵便ポストからいつでも差し出せ、追跡サービスもありますが、基本的に郵便受けに配達になります。
その点で健康保険証の返却には不安がのこりますね。
宅急便で返却する場合
これはNG。郵便法により、健康保険証等の信書を宅急便で送ることは禁止されています。くれぐれも送らないように注意しましょう。
参考URL:信書に該当するものを教えてください
配達証明で返却する場合
配達証明とは、書留の郵便物や荷物を配達した事実を証明する郵送方法です。料金は一般書留より310円高くなります。
参考URL:http://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/haitatsu/add.html
結局どの返却方法がよいのか?
健康保険証等の大事なものを返却する場合は、以下の3つを満たす方法がベストです。
- 配達した記録が残る
- 万が一の賠償額が定まっている
- 対面受け取り出来る
これらに該当するのは簡易書留、一般書留、配達証明のどれかになります。この3種類であればどの方法でも構いませんが、健康保険証は1番郵送料が安い簡易書留で十分でしょう。
料金はどうなる?
郵便局のホームページに詳しく掲載されています。
http://www.post.japanpost.jp/cgi-simulator/envelope.php
定形郵便の簡易書留で計算した所、以下の料金となりました。

ご参考に。
返却しないとこんなことが
返却せずにそのままになった場合
会社を退職したら、その時点で会社の加入している保険の被保険者資格を失うことになるので、無保険状態となります。
病気にならなければよいですが、いざ病院にいくとなったら医療費は全額自己負担になるので注意しましょう。
返却せずにつかった場合
退職後に誤って有効期限切れの健康保険証を医療機関等で使ってしまうと、後日、健康保険で支払った医療費を協会けんぽから直接返還請求されます。
これが何度も繰り返され、すっと使い続けていると、裁判所に支払督促申立てや少額訴訟等の法的手続を経て、強制執行(給与、預貯金等の差押え)されてしまうので速やかに返却しましょう。
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返却する際の添え状の例文
健康保険証を返却する際には、簡潔でいいので添え状を一緒に同封しましょう。下記は簡単な例文です。参考にしてみてくださいね。
————————–添え状の例文————————–
○○部○○様
お世話になっております。○月○日付けで退職いたしました、元○○部の○○です。
健康保険証を同封いたしました。
直接お返しできなくて大変申し訳ございません。お手続きの程、何卒よろしくお願いいたします。
○年間、大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。
最後になりますが、貴社の益々のご発展と、皆さまのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
元○○部○○
——————————————————————–
上記のような添え状を書く際のポイントは以下のとおりです。
- 自分の名前だけではなく、在籍していた部署や社員番号も書くと人事担当者の手間が減ります。
- 何をどのような理由で送ったのか書く(この場合は退職に伴う健康保険証の返却)。
- 直接渡せなかったお詫びとお礼の文章を入れる。
添え状は必ずしも必要なものでは無いですが、添え状があった方がより丁寧な印象を受けます。お世話になった会社への最後のご挨拶となる添え状です。丁寧にかきましょう。
まとめ
- 健康保険証の住所変更は加入する健康保険により異なる
- 同一市内での住所変更でも手続きは必要
- 住所変更をすると裏面を手書きで修正すること
- 郵送での返却は簡易書留がベスト
以上、健康保険証を住所変更するとなった場合の手続きや裏面の手書き訂正についてみてきました。
また郵送返却の場合の添え状の例文についてもふれてみました。身分証明にもなる大切な健康保険証です。トラブルにならないように、慎重に返却しましょうね!
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