
あなたが転職活動をしている場合、一次面接をクリアすることは書類選考の次の難関ですね。この一次面接、どのような内容なのでしょうか。今回は人事担当者では無く、転職活動の経験者として、何社も訪問している体験をお話致します。
また、うつ病の病歴がある場合、隠すほうがよいのか悩みますよね。ここでは面接官の立場から本音を語ります。
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一次面接のパターンは企業によって大きく異る
私は今まで、転職活動で20社近く訪問していますが、企業によって、面接のパターンや内容は異なります。100社あれば100通りの採用スタイルがある、とよく言われますが、そのとおりだと思います。ネットの記事で面接のノウハウが書いて有りますが、全ての会社に共通して通用するノウハウはないといえるといえます。
では、以下に、面接に出てくる人がどのようなポジションの人であったか、というパターンを書いてみます。大きく分けて5つのパターンがあります。
- 社長面接
- 現場の課長クラス
- 現場の部長クラス
- 採用担当者クラス
- 役員クラス
面接官によって面接の内容は異なります。ひとつづつ見ていきましょう。
社長面接
まれなパターンですが、中小企業であれば、社長が面接を担当している企業もあります。ごく少人数や、場合によっては一人の候補者にピンポイントで会いたい、という意向がある企業はこのスタイルが有ります。
面接内容は社長の性格により、大きく変わると思います。スキルへの質問と人間性を見る質問両方を織り交ぜたパターンがありえるでしょう。しかし、スキル面への質問はあまりするどいものないでしょう。なぜならば、中小企業で社長が目を光らせている会社であっても、社長が実務を全て理解できていることはあまり考えづらいからです。
しかしながら、社長面接は予期せぬ質問も有りえます。ハウツー本に書いてあるような定型的な質問はあまりない代わりに何が飛んで来るか予測不能ですが、ポイントは人柄がマッチすればよいケースが多いように感じます。私は社長面接が一次面接の会社は通過して内定も頂戴致しました。
現場の課長クラス
課長だけで出て来る場合や、重役が同席する場合が有ります。中小企業は社長が同席することもあります。面接官が現場の課長クラスの場合、業務に深く精通している方が面接をするので、面接内容はスキル面での質問はかなり深く探りを入れられる傾向が有ります。
また、実際に採用されることになると一緒に働く事ことなる方との面接なので、当然、人柄も慎重に見られます。そのため、質問は鋭くなりがちですし、実務への関わり方を突っ込んで話を展開する中で、じっくり腰を据えた面接スタイルになる傾向が有ります。
ハウツー本に書いてあることはしっかりと対策を行っておくことは最低限必要ですし、自己分析をしっかり行っておかないと、このパターンは乗り切れません。
現場の部長クラス
部長クラスの場合も、課長クラスと同じく、実務レベルでの話が中心になる傾向があります。部長クラスが一次面接にでてくる、ということは、部長クラスがプレイングマネージャであることの裏返しであり、部長が現場に精通している、ということでもある為、面接内容は課長クラスの面接と同様のスタイルになる傾向があります。
しかし、部長クラスとなると、部門の行く末を握る人物でもあることから、中途入社の採用については、世代交代の意味がある場合があります。次世代の幹部候補募集、などの場合はまさにそうです。その場合は人柄もじっくり見られます。マネジメントの経験なども、かなり突っ込んで質問されることになるでしょう。
採用担当者クラス
このパターンは多くはありませんが、人事部門の役職がついていない、あるいは係長クラスの方が面接を担当するケースが有ります。この場合は背景として、応募者が沢山いることが考えられます。採用にある程度の労力をかけることができる企業の場合、採用担当者が水際で奮闘する、というケースですね。
実際、面接の中で毎月50人程度お会いする、と語ってくれた面接官の方もおられました。
このパターンの面接内容はパターン化した面接になりがちです。というのは、面接担当者は沢山の候補者と会う為、予め用意した質問があります。担当者がクリップボードなどを手元においてチェック項目に従って面接をすすめるイメージです。
対策としては、ハウツー本に書いてあることはしっかりと対策を行っておくことは最低限必要ですが、実務スキルに関してはあまり触れられない場合も有ります。
◯◯の職務を志望するのはなぜですか?などと、理由や考え方中心の面接になる場合も有ります。
役員面接
このパターンも少ないパターンです。私は2回経験致しました。中小企業ではありえることです。この面接の背景は社長面接と同じく、ある程度決定権限がある人がいきなりでてくるので、採用に時間をあまりかけたくない、という企業の意向があります。
応募書類でじっくり選考して、人柄や考え方などを聞くパターンが多いです。内容は社長面接に近いです。ここを通過すると内定の確率がぐっと上がります。私は過去にこのパターンで内定がでました。
一次面接の内容で共通して聞かれる、最低限、押さえるポイント4つ
多くの会社で共通して聞かれることを絞っていくと、以下の質問は外せないかと思います。
- 1経歴
- 2退職理由
- 3将来どうなりたいか
- 4逆質問「何か聞きたいことはありますか?」
実は定形的な、書籍やエージェントからの面接ノウハウで準備すべき、と言われる質問はほとんどきかれないケースが多いです。人事担当者としても、上記は必ず聞く項目です。上記以外に、も以下のような質問はちらほら有ります。
1経歴
経歴はさらっと1分程度が望ましいです。こちらの記事にもかきましたので合わせて御覧頂きたいのですが、経歴は重要です。面接官は書類をじっくり見ていないことも多々有ります。自己紹介を兼ねた経歴紹介は、面接の序盤に訪れ全体の流れを左右します。
ここではしっかりフックをつくりましょう。面接官がメモをとり、「あとで聞こう」と思うような自己PRをさらっと入れるのがスマートでしょう。
2退職理由
最も重要なのは退職理由です。この質問は「すぐにやめないか?」ということを確認する為でもあるので、しっかり準備しましょう。
前職で叶わなかったこと、転職で成し遂げたいことを整理しておく必要が有ります。できれば転職前に以下のような表を作成し、頭を整理しておくのがベストです。場合によっては、転職では無く、残ることがよい選択肢であることが分かるかもしれません。

3将来どうなりたいか
また、将来どうなりたいか、という質問はあなたの志向性を見ています。難しいものではなく、スペシャリスト志向なのか、ゼネラリスト志向なのか、マネジメント志向か、というところを押さえておけば良いでしょうが、ここは以外と落とし穴となりえます。
例えば、案件によっては管理職候補募集だったり、そうでなかったりしますが、私の経験から、管理職候補募集でない場合にマネジメント志向をアピールしすぎると、「管理職になれなかった場合に辞めるのではないか」という理由でNGとなった企業もありました。
4逆質問「何か聞きたいことはありますか?」
面接の終盤で訪れる質問です。この質問の意図は以下です。
- 企業と求職者のミスマッチ解消
- 熱意を見たい
- 親切で聞いているだけの場合も
一次面接で「熱意を見たい」というケースは正直まれです。一般的には逆質問は熱意を伝える場面、と言われます。しかし、一次面接は企業の立場からすると、応募者をファン化する段階。企業側が応募者を引き込む必要があるシーンでもあるのです。
この段階から、最終面接までの段階で志望動機が高まれば良いのです。その過程で会社見学などを挟み、働くイメージを掴んでもらう、というパターンは王道でしょう。
そういう意味で一次面接での、この質問の意図は「ミスマッチ解消」という目的達成の為に行われる場合が一般的とおもってよいと思います。
多くはないが、ちらほらある質問
実際に面接であまり聞かれないが、聞かれたことのある質問をあつめました。
- 志望動機
- どのようなスキルがあり、どのような貢献できるか。
- 仕事で苦労したことや失敗談
- 学生時代になにをやっていたか?(あなたの年齢によると思います)
可能な限り、準備しておきたいところですが、質問される確率は以外に多くはないです。書籍やエージェントからの転職準備マニュアルなどを参考に最低限用意しておけば十分かと思います。また、失敗談についてはこちらにも書きました。参考にしてください。
一次面接をスムーズに通過するには
いままで見てきたように、転職面接ではスタイルが様々であり、マニュアル化して対策することはなかなかできません。ハウツー書籍やエージェントからの面接対策はやったほうがよいか、と言われると、やったほうが良いでしょう。なぜならば、それらは一般化されているのです。基本対策としてはやったほうがよいです。しかしそれ以外に、欠かせない2点があります。
- とにかく自己分析
- 数をあたる
上記の2点は押さえたいポイントです。
とにかく自己分析
転職がうまくいかない場合の対策をこちらにもかきました。この中では自己分析の重要性に触れていますが、自分の強みやセールスポイントは他人のほうがよく知っていることも有ります。
メンターの存在があれば積極的に頼りましょう。また、職場の信頼できる先輩などもよいでしょう。自己分析ができていないと面接でボロがでたり、聞かれたことに返答できないことがあります。これは本などでは教えてもらえません。やろうと思っても、以外と時間がかかるのでしっかり取り組みましょう。
数をあたる
数をあたることも対策の一つです。面接は相対評価です。複数の候補者の中から選ばれる必要があるのです。そのため、あなたが絶対評価でよい評価をもらえたとしても、相対的によい協業相手がでてくると負ける可能性があります。
そういう意味でも、また面接になれ、知識を蓄積するためにも数をあたることは必要です。
面接対策は時間がかかる
面接対策は以外と時間がかかります。実際に面接に訪問してからでないと見えてこないことも沢山あります。私はそうでした。面接を重ねていくとなれます。あせらず、じっくり取り組み、内定を勝ち取りましょう。
転職の面接でうつ病を伝えるのはNGにつながる
あなたが仕事で辛い思いをしてうつになった過去がある場合、転職活動で素直に伝えるのが良いのでしょうか。答えはNGです。嘘はついてはいけませんが、聞かれなかったらわざわざ申告する必要はまったくありません。
うつ病を申告するとNGがでる理由
企業にとって、面接は一緒に働く仲間を探す場所です。面接担当者の気持ちになってみてください。戦力になる人間を採用する必要があるのです。うつ病は怖い病気です。治療に長期間かかります。また、再発もあり得るのです。
この為、面接担当者は「過去にうつ病になった」経験を知ると、またうつ病になるのではないか、という連想をします。
理由はズバリ単純。企業はリスクを負いたくないのです。
企業はしっかり活躍してくれる人を選びたい、という本音があります。あなたがうつ病になってしまった過去が知られるとほぼNGとなるでしょう。「うつ」というフレーズも避けたほうが良いくらいです。企業はうつ病や病歴に敏感です。わざわざ病歴のある人を採用しません。
残念ながら、これが実態です。頑張りたいがリスクのある人を採用しません。では、うつ病が原因で発生する、以下のようなケースにはどう対処するか?について考えてみましょう。
- 休職期間がある
- 職歴にブランクがある
直近に休職期間がある場合やうつ病により、職歴にブランクがある場合があると思います。このような場合、どうすると面接を乗り切れるのでしょうか。ひとつづつ見ていきましょう。
休職期間がある
面接担当者は履歴書の内容に敏感です。休職期間が長い場合、履歴書に書かないと経歴詐称、とみなされることもあります。これは法律で決まっているわけではありません。しかし、休職期間があることを隠して就職した場合、就職してから休職期間があることがバレる可能性は有ります。特に、前年度の源泉徴収を提出して、と言われることがあります。
こちらの記事にも書きました。これは、内定後に内定取り消しになる可能性について言及した記事ですが、年末調整の時に、前職の源泉徴収票が必要になるケースの場合、前職の給料から、休職がバレる可能性は有ります。この場合、企業の就業規則に従って懲戒処分になる可能性は否定出来ないでしょう。
ある紹介会社さんから聞いた話では以下のような説明があったことが有ります。
「休職歴は履歴書に明記すべきだ。その理由としては、最悪のパターンでは内定取り消しになったケースが過去にある。その為、求職者には休職歴は記載してもらっている」
との事。これは紹介会社によりけりです。休職歴はわざわざ書く必要はない、と言う会社も有ります。
何が言いたいかと言うと、休職期間は何故休職しなければならなかったのか、企業はまず病気を疑います。長期の休職は特にその傾向が有ります。
ケースに応じて、理由を考えるのが賢明でしょう。間違っても、正直に「うつ病」で、などと言わないほうが良いです。その瞬間、面接通過率は一気に下がるでしょう。
転職エージェントは、このようなケースに当てはまる多くの人を見ています。あなたの状況に応じて適切なアイデアを一緒に考えてくれる担当者に相談するのが良いです。
職歴にブランクがある
職歴のブランクも病気を疑われます。
「◯◯に専念していました」
◯◯は資格取得の勉強や介護なども入れるのはありでしょう。これも同じです。転職エージェントはこのような案件にもしっかり対応してくれますので、是非力を借りましょう。
うつ病はしっかり治してから転職活動を
あなたがうつ病で、闘病中であることを隠して転職活動をしているならば、完治してからの転職活動が望ましく思います。うつ病は治りかけが最も危険と言われていますし、隠すとあなた自身に返ってくる可能性が有り、不幸な結果を招きかねません。隠すのでは無く、しっかり治して再出発です。人生は長いのです。焦らず、取り組みましょう。
まとめ
- 転職の一次面接の内容は面接官のパターンによって異なる。
- 必ず押さえる項目は次の4つ
- 1経歴
- 2退職理由
- 3将来どうなりたいか
- 4逆質問「何か聞きたいことはありますか?」
- うつ病の過去があるならば、わざわざ申告する必要はない
あなたが転職活動をしている場合、一次面接は始めの難関です。面接官が誰か、により、内容が代わりますので、事前に確認しましょう。また、相手が誰であれ、最低限必要なポイントは上記の4つです。しっかり時間をかけてもよい部分です。相手の納得する回答をよういしておきましょう。
うつ病をわずらった過去があるならば、自己申告は不要です。企業は健康な人を採用したいのです。わざわざハードルを上げる必要はありません。
隠すのではなく、言わないのです。あなたは今の恋人や妻に以前の恋人の話をするでしょうか。それと同じです。隠すのでは無く、言わないのです。また、休職や職歴のブランクがある場合はエージェントに相談して、よい理由を探しましょう。
内定獲得はなかなかつらい道のりです。しかし、諦めずに粘ると必ず結果がついてきます。転職活動は正しい知識と粘りが必要です。諦めず取り組み、幸せな転職を勝ち取りましょう。