パワハラを受けた!仕事を辞めたいと思ったら、押さえておきたいこの2点

今日、セクシャル・ハラスメントやパワーハラスメントは社会問題として大きな注目を集めています。警察庁が不祥事を起こしたり、いつになったら、この問題がなくなるのでしょうか。それもそのはず、日本の雇用構造では企業がブラック化しやすいのです。

本記事では、あなたがもしパワハラを受け、仕事を辞めたいと思っていたら知っておいてほしいポイントを解説致しました。労働者は泣き寝入りする必要はありません。リテラシーを高め、能力を発揮して、幸せな職業人生を歩もうではありませんか。

日本は企業がブラック化しやすい雇用構造

「ハラスメント」という言葉ですが、今や知らない人はいないくらい一般的な言葉となりました。しかし、ほんの10年位前までは「セクハラ」という言葉くらいしか世の中には定着していませんでした。それがここ10年位の間で、沢山の「ハラスメント」が世の中に認知されるようになりました。定義すらなかった時代より、労働者は声をあげやすい時代になったといえます。

しかしながら、日本型雇用はもともとブラック化し易いという構造的な問題を抱えています。ここではまず、日本型雇用と欧米型雇用の違いに焦点を当てて、構造上の問題を浮き彫りにしたいと思います。

日本型:メンバーシップ型

人に仕事をあてがう発想。何ができるかわからないが、能力がありそうだからという理由で一括採用をします。その後、配置された現場で少しづつ仕事を覚えていくOJTにより、ステップアップしてゆきます。一括採用終身雇用の特徴は誰もが役員クラスになることができる夢を見ることができる点にあります。

常に、「出世」というニンジンを目の前にぶら下げられた状態に置かれていると言っても良いでしょう。そのため、会社に朝早く来て夜遅くまで残ることが美徳化しやすく、長時間労働やハラスメントが発生しやすいという特徴があります。

欧米型:ジョブ型

仕事に人をあてがう発想。例えば、あるポストに空きができると、その仕事を遂行できる人をヘッドハンターが引き抜いてきて採用する、ということをイメージするとわかりやすいでしょう。欧米型の社会では仕事のスキルがない若者を雇用するということは行いません。

ですので、学生が一斉に就職活動をし、「能力があります」ということをコミュニケーションで主張することで採用されることはありません。職務に対して、人をあてがうので、仕事の範囲が明確です。基本的に、「事務員で入れば一生事務員」。職位や給与が上がることはほとんどありません。

そのため、「それは私の仕事ではありません」ということが成り立つのです。
こう見てくると、日本型雇用の仕組み自体がブラック化やパワハラを誘発し易い構造になっているといえるでしょう。

参考資料:「お祈りメール来た。日本死ね」文春新書 海老原嗣生著

日本ではパワハラが増えている?

では、実際にパワハラがどの程度起きているのか、見てます。以下のグラフは各都道府県に寄せられたパワハラの相談件数です。ご覧のように、毎年増え続けています。ピンクの折れ線が、相談件数全体に占めるパワハラの割合です。ここ10年で約3倍に増えているということがわかりますね。

厚生労働省「あかるい職場応援団」から抜粋

参考資料:https://no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/statistics/

数字を見るとだんだんパワハラが増え、社会が荒んできている用に見えますが、パワハラの絶対数が増えているということでは無く、おそらくパワハラへの理解がだんだんと進んできており、黙っておらず相談する労働者が増えた、というふうに捉えることはできないでしょうか?全くの私見ではありますが、もし推測がただしければ、日本社会はよい方向に進んでいる、と捉えることもできます。

パワハラをうけたら

さて、上記に雇用の構造を見てきました。パワハラはどんな職場でも起こるもの、と捉えているくらいでちょうどよいのかもしれません。
実は、私も何度となく、パワハラや嫌がらせを受けたことがあります。パワハラへの対処法を知らなかった当時は家に帰って妻に愚痴って酒を飲んで終わりでした。

なぜって、「パワハラ」への対策はおろか、定義すら知らなかったのです。会社ってそんなものなんだ、という意識しかありませんでした。

パワハラの定義を知ろう

しかし時代は変わりました。セクハラに始まり、パワハラ、モラハラ、アカハラ、マタハラなど沢山の定義があります。
行き過ぎか?という気もしなくはないですが、ハラスメントのようなモチベーションを下げる行為の定義が明確になってきたこと。

また、働きやすい社会を作ろうとする厚生労働省の取り組みは我々労働者にとっては、有難いものではないでしょうか。ゆっりとではありますが、確実に働きやすい社会になりつつあると私は思っています。

さてここで、あなたはパワハラの定義を説明することができますか?パワハラは以下のように定義することができます。

「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」

参考資料:https://no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/definition/about

ここでポイントなのは、パワハラの加害者となる者は必ずしも上司だけではないということ。同僚、部下も範囲に含まれます。社歴の長い部下が新任の上司に対して行う嫌がらせを逆パワハラと呼んだりもします。

パワハラを受けた側がまず知っておきたいのは、その明確な定義。パワハラはする側も知識を持っていないケースがあります。「知らずにやった」という場合も多くあるとおもいます。私が受けたパワハラも加害側には知識がなかったように思います。

もしあなたが弱い立場にあり、パワハラを受けていると感じるならば、パワハラの正しい知識を身につけておくとよいです。私の場合は経験からパワハラへの理解が深まり、受けた仕打ちに対する対処法を身に着けました(自慢にはなりませんが)。

パワハラの分類

上記では定義を知りました。次に、どのような行為がパワハラにあたるのか見ていきましょう。

ここで、断っておきたいのは、パワハラの定義は曖昧であり、業務上で必要な指導であることとの線引が困難ということです。以下に代表的な6つの分類を紹介いたしますが、ハラスメントに該当する可能性のある例は以下の6つ以外にも存在することを留意する必要があります。

(1)身体的な攻撃

  • 蹴る
  • 殴る
  • 灰皿を投げつけられる
  • どんなに軽い書類でも、それを投げつけるような行為によって部下や同僚を威嚇し、従わせようとすることはパワハラとされる可能性が高いです。
  • ゴミ箱を蹴飛ばし威嚇する

社員の体に危害を加える行為です。ある意味、最もわかりやすい形で行われるパワハラですね。

(2)精神的な攻撃

  • 「ばか」「のろま」などの言葉を毎日浴びせられる
  • ?教育の名目で規則の書き写しなどを行わされる
  • 「退職してしまえ」など社員の地位を脅かす言葉
  • 「お前は小学生以下だ」
  • 「能なしだ」

人前で罵倒したり、侮辱や名誉毀損にあたるような言葉を投げることも該当します。他の職員を宛先に含めてメールで叱責するなどの行為もこれに当たります。

(3)人間関係からの切り離し

  • 一人だけ別室に席を離される
  • 全員が参加する飲み会にわざと呼ばない
  • 話しかけても無視する
  • 直ぐそばにいるのに、連絡を他の人を介しておこなう

故意に仕事を与えず、他の社員から切り離された状態することも「人間関係からの切り離し」にあたることがあります。

(4)過大な要求

  • 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制をする
  • 一晩では処理しきれないような量の業務を命じる
  • 業務上の些細なミスについて見せしめ的・懲罰的に就業規則の書き写しや始末書の提出を求める
  • 能力や経験を超える無理な指示で他の社員よりも著しく多い業務量を課す

能力や経験を超える無理な仕事で、他の社員よりも著しく多い仕事量を与えると「過大な要求」にあたることがあります。

(5)過小な要求

  • 本来の仕事を取り上げたり、仕事を与えない
  • 営業職として採用された社員に草むしりをさせる
  • 業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる

あきらかに業務上の合理性を欠くような指示、コピーだけをとらつづける、掃除、雑用だけを行わせる、仕事を与えないなども「過小な要求」に該当します。

(6)個の侵害

  • 有給休暇を申請すると、「誰とどこにいくのか」など私的なことに立ち入る
  • 携帯電話を見る

業務上の必要がないのに、個人的なことを聞く、詮索するなどは「個の侵害」型にあたる可能性があります。執拗にプライベートのことを聞く、仕事が終わったあともメールやLINEがくるなどもこれに該当。また、相手が異性の場合はセクハラに該当することもあります。

参考資料:https://no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/pawahara-six-types/

パワハラか否か、ポイントとなるのが、業務の適正な範囲内であるかどうかという点です。

例えば、工事現場など、生命の危険と隣合わせのような職場で(例えば軍隊とか)大きな声で皆の前で「バカヤロー、何やってんだ!」と注意を受けても、パワハラに該当するかというと、微妙なところでしょう。

「大きな声」で叱責しなければ、命に関わるから、叱責した。という理由であれば、パワハラには当たらないでしょう。同じ「バカヤロー!」でも、場面によって意味合いが異なってきますし、受け取り方も変わります。

例えば、皆が静かに働いているオフィス環境などで、大きな声を出さなくても「これはまずいから、このようにしてね」ですむことを「バカヤロー!」と大きな声で叱責するのは明らかに業務上必要ないことなのです。

パワハラを受けたら以下の2つのことを実践しよう

記録しよう

パワハラは主に上記のように分類できます。これらを踏まえ、必ず行いたいことが記録することです。なぜならば、あなたが受けたことを立証するものは記録しかないからです。自分を助けるのは自分しかいません。

1)メモ

  • ?いつ(何月何日何時頃)
  • ?どこで
  • ?どのような状況で
  • ?その場には誰が同席していたか
  • ? 何をどのような言い方で言われたか

上記のようなことを感情を交えず、詳細に記しておくとメモとしての価値が高まります。

2)ICレコーダー

怒鳴られている最中に、スマフォを取り出して「ちょっとすみませんね」といって録音ボタンを押す、というのはなかなかの上級者でしょう(笑)ペン型のICレコーダーなどがよいと思います。オリンパス社のボイストレックVP-15 などはよいのではないでしょうか。こっそりポケットに手を突っ込んで片手で操作できます。

私はパワハラをうけた、と思ったらその場で必ずメモを取ります。メモは可能な限り、事実をありのまま残すのが良いでしょう。脚色をつけず、言われた言葉をそのままメモする。合わせて、ICレコーダーも合わせて準備しておくと、俄然、証拠としての信憑性が高まります。

記録には、精神的に安心する効果もあります。「実績が一つ増えた」くらいに考え、メンタルを強気にキープしましょう。
余談ですが、何か嫌なことを言われたり、されたりすることは日常生活でもありますよね。そういう時は紙に書くのが効果的です。書いた後、くしゃくしゃにして丸めてポイ!これだけで結構スッキリ。効果ありますよ。

相談しよう

人事部門に相談しよう

辞めたい!と思ったら、ひとまず深呼吸しましょう。あなたの会社の人事部門は頼りになりますか?もし会社にハラスメント規定や窓口があり、しっかり機能しているならば、相談しましょう。会社はパワハラを問題として扱ってくれます。

人事部は怖い部門ではありません。働きやすく、社員が能力を発揮しやすい職場を作るのも人事部の大切な役割なのです。「ややこしい職員と思われるのではないか」などは考える必要はありません。人事部は怖い部門ではありませんので、勇気を出して相談してみましょう。

行政に相談しよう

残念ながら、人事部が頼りない会社もあることも留意しておかねばなりません。会社の上層部や人事部に、問題を解決する意思がないことも実際あるのです。私はそのような会社を経験しています。パワハラを会社の問題としではなく、当事者双方の問題として処理されそうになりました。

これは会社の対応としては間違いです。会社としてのリスクを認識していません。パワハラ問題は安全配慮義務違反に発展することもある(判例もある)ことから、会社のリスクとして捉えるのが、リスクマネジメントの正しい姿といえるでしょう。

話がそれましたが、人事部を頼れない場合、行政にも相談できます。

一人で抱えて病気になってしまうことだけは避けましょう。一番損するのはあなたです。こころの病に陥ると、回復に時間がかかります。ちょっとつらいな、と思ったら、迷わず相談です。

弁護士に相談しよう

あなたがいよいよ、会社と戦う決意をしたとなれば、一人では無理です。弁護士に相談しましょう。しかし、結構な費用がかかります。会社を相手どって戦うにはそれなりの覚悟は必要です。弁護士に相談する際、前提となるのが、記録です。これがないと、話にならないです。

必ず、証拠を揃えて戦いに挑みましょう。

しかし、最終的には退職するのが一番かも

あなたが、もし戦う気がないのであれば、退職するのが、案外最善策かもしれません。労力を使う方向を変えてみませんか。そうすれば、硬直した日常から開放され、あらたな境地が開けます。私はパワハラで会社を退職した過去があります。退職してよかったと思っています。

戦う、ときめたらそれも良いですし、「アホは相手にしない」と、さっさと去るのも考え方です。人生、短いのです。
あなたの選択が「戦う」であれ、「退職する」であれ、自分にとって意味のある選択をしましょう。「怒り」だけを行動の原動力にするのは損ですよ。

まとめ

  • ?日本は企業がブラック化しやすく、パワハラも起きやすい
  • ?パワハラは6つに分類できる
  • パワハラで辞めたいと思ったらこの2点。記録と相談である。証拠をとって、客観的に判断してもらおう
  • ?早々と退職するのも一手である。逃げるが勝ちという視点も持っておこう

パワハラで仕事を辞めたいと思ったら、まず感情的にならず、可能な限り正確で信憑性の高い証拠を集め、人事部門や行政に相談しましょう。

そこまでするのはちょっと・・というあなた。さっさと退職するのは負けではありません。我慢して病気になってしまうと、回復が困難です。会社はあなたを助けてはくれませんよ。
健康で幸せな人生を送るために賢い選択をしましょう。

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