先日、抱月工業大久保社長の話を聞いてきました。以前こちらの記事でも紹介いたしました抱月工業の大久保社長。私が感じたことは、 人間の成長は苦労の度合いに伴うということ。
ある程度軌道に乗るまでは利益至上主義になるのは仕方がない。 人間はそもそも管理しない方が遠回りのようで利益が出る。 性善説で社員と接する方が楽だということ。その背景を紹介します。
人を管理しないほうが利益が出る
社員がイキイキ健康で働くためにはお金をふんだんに使うという考え方をしておられます。
モデルにされているのは長野県の伊那食品工業や未来工業さん。「利益を出している会社は人を管理していない。社員の評価もしないというふうに決めている」
「管理職はそもそもおかずに、会社マネジメントしている」
しかしながら、会社に入って10年目前後は鬱のようになっていたそう。体がだるくて起きられない。でも誰も助けてくれないから会社に行っていたとかたってくれました。
銀行からの貸し剥がしにもあったそうです。それも12月の28日の年末の押し迫った時に。 悪意があるとも取れるような仕打ちです。 ドラマの半沢直樹でも、銀行は晴れの日に傘を差し出し雨の日に傘を取り上げる、 という風に紹介されていたのが、少し前の記憶にありますが、まさにそれを地でいっている。
さらっと語ってくれましたが、15年間不安ととなり合わせの状態は普通の人なら耐えられないのでは。
孤軍奮闘の末、15年目ぐらいからやっと上手く行き始めたそう。この期間どうやって乗り越えられたのか。ものすごく興味があり聞いてみました。そうすると まず出てきたのか「やはり社員を路頭に迷わすということはできない」ということ。
大久保社長の人間観の根底には 性善説があります。性善説で運用したほうが楽だということ。その人間観の根底にはものすごい苦労があったことが分かりました。
大久保社長に経営者であり、お父様が先代でいらっしゃいます。経営が本当に苦しい時、 先代は廃業を決めていらっしゃったそうですが大久保社長はブチ切れたらしいです。
それは先ほど書いたようにまず社員を守りたい、 仕入先お客様を守りたいという気持ち。この気持ちが会社を存続させてきたことがわかります。
圧倒的な人を大切にする度合いは大久保社長の人間観に基づいています。あまり語られませんでしたが、その人間観は15年間の想像を絶する苦労がベースになっているのだろうと思いました。
人を大切にするレベルが群を抜いている
お金が回りだして余裕ができてから福利厚生などを 力を入れ始めた。給与も業界ではナンバーワンぐらいに高い水準を誇っておられます。
平成30年は、 勤続10年の社員の平均年収で610万まで引き上げたとのこと。
業界の常識では考えられないぐらいの 高水準。お弁当も毎日支給しているとのこと。
給料はあげたら利益率が下がるのかと思ったら逆に上がったそう。これは現在の上がり続けているようです。
社長がおっしゃられる事を本当に実践されておられ、異次元で人を大切にしていることがよくわかりました。
最後に社員の変化について聞いてみました
給料が少ない状態から、同業他社に比べて相当高い数字にまで引き上げたことによって社員がどのように変わったかということも聞いてみました。
- 頑張りが持続するようになった
- 前向きになった
- 人が優しくなった
社員も不安が恐らくないのでしょう。給料下げられたり評価を下げられたりこの会社にあと何年いられるんだろう、というような不安がなくなった。ここが大きいのではないかと思います。
ちなみに私は会社員ですが1年先2年先が分からないという気持ちでずっと働いてます笑 ずっといられるという気持ちではおりません。この感覚は私にとってはものすごく新鮮です。
異次元の会社マネジメントをするに至るには 経営トップの人間観によるところが大きく、 その人間観は 15年もの間の 壮絶な苦労があったことが分かりました。
ではまた。