働き方

あなたの年収はいくら?意外と知られていない年収と幸せの関係

突然ですが、あなたは今の年収で本当に幸せですか?不満足のあなた、いくらあれば幸せになれると思いますか?1000万円ですか?おぉ、それはすごいですね、たしかに1000万円あればなんでも買えるし、旅行にも行けるし、高級なレストランにも行けるでしょう。

しかし、年収が高いイコール幸せとは限らないようです。ここでは、年収と幸せの関係に着目しながら、幸せになるにはどうすればよいか、考えてみたいと思います。

最も幸せであるとされる年収は630万円!

この630万円という数字は米プリンストン大学(Princeton University)のダニエル・カーネマン教授と、同僚のアンガス・ディートン教授年収が、調査会社のGallupの調査結果を分析して出した結論です。タイトルと矛盾するような数字ですが、7万5000ドル(日本円で630万円)程度までは収入に比例して幸福度が上がっていくという結果が出ています。

参考資料:http://www.afpbb.com/articles/-/2754328

この調査は米国民45万人分への調査であるということで、母数としては十分すぎるくらいの数字です。結果を見て、いかがでしょう。なんとなく違和感はありませんね。年収が高いとなんでも買え、あらゆるサービスをお金で手に入れることができます。

しかし、「世界一幸福な国はブータン」とよく言われています。(調査会社によるランキングは後述)この国はGDPで見ると、日本とは比べ物にならないくらい貧弱です。仮にブータンには幸福に感じている人が多い、と仮定すると、GDPなどでみる経済的指数は必ずしも幸福度に寄与しているか疑問が残ります。

では、世界の幸福度に関する調査結果を見てみましょう。

世界幸福度ランキング

アメリカのgallup社が毎年発表しているデータがあります。これは毎年更新されており、2018年版も発表されています。

上位5国は以下のとおりです。

  • 1位 フィジー(92)
  • 2位 コロンビア(87)
  • 3位 フィリピン(84)
  • 4位 メキシコ(82)
  • 5位 ベトナム(77)
  • 6位 カザフスタン(74)
  • 6位 パプアニューギニア(74)
  • 8位 インドネシア(68)
  • 9位 インド(64)
  • 9位 アルゼンチン(64)
  • 9位 オランダ(64)

    カッコ内の数字は純粋幸福度(「幸福を感じている人の比率」-「不幸を感じている人の比率」)です。調査は5段階評価で、「5 とても幸せ 4 幸せ 3 幸せでも不幸でもない 2 不幸 1 とても不幸」としており、「5か4を選択した人の割合」から「2か1を選択した人の割合」を差し引いたものが純粋幸福度。

引用元:http://www.huffingtonpost.jp/yuma-nagasaki/happy-country-fiji_a_23324628/

日本はどうでしょう。このランキングでは18位にランク。昨年は25位でしたので、ジャンプアップですが、以外に高くないようです。

経済的豊かな国のはずの日本の幸せ度数が高くない、というのは一体どういうことなのでしょうか。

先程みた、年収が630万円に近くなるほど幸せになれるという調査はウソだったのでしょうか?

人間の幸福についてのハーバード大学の研究

ここで、ハーバード大学の75年に及ぶ研究を紹介致します。

Grant Study と呼ぼれるこの研究は、ハーバード大学に在籍した「最も将来性のあると思われる」268人の男性に対して行った調査です。

https://www.theatlantic.com/magazine/archive/2009/06/what-makes-us-happy/307439/

この調査に30年以上関わっているGeorge Vaillantハーバード大学医学大学院教授によると、人生において、最も重要なのは「温かな人間関係」であるとの結論にたどり着いた、とのこと。教授はこの研究の結論について、こうコメントしています。『幸福とは愛だ 以上』」

これは大変示唆に富むコメントです。年収が高いほど、幸福度が高まるというのは幻想なのでしょうか。

ここで、3人の男性の状況を想定してみましょう。

子供をいれたのは反則でしたね。しかし、Cさん(Cちゃん)はお金はありませんが、間違いなく幸福でしょう。なぜなら、子供は人と比べることはなく、親からの愛情が全てであり、愛情がたっぷりあれば幸せでしょう。

すこし極端すぎる例ですが、ここで何を言いたかったかといえば、お金があっても、不健康であり、愛する人がそばにいなければ、幸せとは言えないのではないか、ということを言いたかったのです。

比較することの意味のなさ

上記の比較は全くの私見であり、偏見も入っているかもしれません。しかし、経済的に豊かでない国のフィジーが幸福度で世界一を記録していることもお金と幸福度が直接関わっていないことを裏付けているような気がします。私は日本人の悪い癖の一つに「他人と比べてしまう」ということがあるような気がします。

あなたは以下のような比較をしたことがありませんか?

  • 他人より収入が多い
  • 他人より良い車に乗っている
  • 他人より大きな家に住んでいる
  • 他人よりよい物を食べている
  • 他人より良い服を着ている

これら、経済的、物質的な比較では一時的に優越感に浸ることができ、満足するかもしれません。しかし、人生の幸福度という尺度で測った時、持続するのかは別の問題のように思います。

ここで、私が幸せを感じるのはどんな時か、洗い出してみました。

  • 家族と楽しく過ごしているとき
  • 親しい友人と過ごしているとき
  • 仕事で認められたとき
  • 人に感謝されたとき
  • したくないことをしていないとき
  • うまいビールを飲んだとき
  • 二度寝をして起きたいときに起きるとき

どちらかというと単純で瞬間的な幸せが目立ちますね笑。私は刹那的な人間なのでしょうか。お金を儲けたとき、というのも入れようと思いましたが、外しました。株で儲けたことは過去に何回かありました。

その時は一時的に幸せな気持ちになりましたが、儲けたのと同時に、不安も大きくなりました。どう考えても、儲けてハッピーなのに、もっともっと、という欲望と、儲けが減る恐怖を感じていました。

私は幸せを図る尺度としては、幸せの大きさと時間的持続性の2つで図ることができるような気がします。(全くの持論ですが)小さくても、幸せに感じることでなんとなくいい気分、という状態が毎日持続して死を迎えるのが幸せな人生ではなかろうか、と思います。

お金が幸せに関係がない、といっているのでありません。しかし、お金が無くても、年収が低くても幸せにはなれるのではないか、と言っているのです。

ニートでも幸せに生きている

ここで、大変興味深い本を紹介致します。おそらく日本で最も有名なニート、pha氏の著作です。

持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない」という作品なのですが、著者は定職を持たず、「ブラブラ」されており、シェアハウスで同じ趣味を持つ仲間と半共同生活をされています。ご自分の年収は100万円前後、と仰っておられます。

冒頭に紹介した、年収630万円幸福説からは遠い額ですが、文面からはストレス社会とは無縁である気楽さと、人生を楽しんでいる様子がものすごく伝わってきます。おそらく著書のタイトル通り、幸福度は高いように見えます。サラリーマンの方が読むとニートも良いかも、と思えてくる危険な一冊ですが、新たな価値観を提供してくれる大変刺激的な一冊です。

今まで見てきたように、幸せとは、年収と無関係ではないようですが、年収が低くても、ニートでも幸せにはなれることがわかりました。

幸せになるための条件

ところで、あなたは、自分の「幸せ」は何か、考えたことがありますか?

私は幸せになるためには、いくら年収があるか、ではなく幸せの軸をしっかり持つ、ということだと思います。能動的に幸せを感じるとることが大事で、受け身では幸せにはなれないのではないでしょうか。

GrantStudyでは人間関係が幸福度合いを決定付ける、というような結論を出していますが、友人関係を煩わしく感じ、意図的に人間関係を構築しない人だっているのです。何を幸せに感じるかは人それぞれであり、「自分は何を幸せに感じるのか」を見つめ直すと、幸せへの道が開けるのではないでしょうか。

まとめ

  • 年収630万円くらいあると、幸せになりやすいと言われている
  • 世界一幸せな国は経済的にも豊かであるわけではない
  • 年収が低くても幸せになれる
  • 幸せの軸は人それぞれある。何を幸せに感じるか意識してみると幸せを感じやすい

私達日本人は比較が大好き。いくら年収があり、友人の誰々と比べて年収がこれだけ多いから幸せ、というように思いがちです。しかし、自分にとっての幸せは何かということをすこし考えてみると人それぞれ幸せの尺度は異なることに気づきます。

幸せを比較することは無意味です。是非、この機会に自分が感じる幸せについて明文化してみましょう。きっと気づかない幸せが毎日の中に潜んでいることに気が付きます。

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