甘いものは好きですか?華やかなパフェや、見た目もきれいなケーキ、冷たくておいしいアイスクリームなど甘いものは私たちの心を癒してくれますよね。私も大好きです。
ただ、ついもう1つと手がのびてしまい甘いものが止まらないことはありませんか?適量でたまにならいいのですが、それが何度も続くと肥満や病気の原因となってしまいます。
そして甘いものの過食の原因にはストレスが関係しているのです。今回はそのなぜ?のメカニズムと、甘いものが止まらないときの対処法についてご紹介します。
ライター:しょこここ
甘いものを食べすぎることによる弊害
そもそも甘いものを食べすぎることはなぜ良くないのでしょうか?その弊害についていくつかご紹介します。
糖尿病になりやすくなる
糖尿病はよく耳にする病気なので、知っているという方も多いのではないでしょうか?
糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが作用不足となり、血液中の血糖値が慢性的に多くなる病気です。遺伝的な要素や、糖を多くとる食生活や運動不足などによる生活習慣によって引き起こされます。
初期はほぼ無症状で、悪化すると多尿や口渇、多飲、食欲増進などの症状が現れます。初期は無症状とは言え、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を引き起こすこともある怖い病気です。
食事療法や運動療法、薬での治療が主となります。甘いものをとりすぎると血糖値が上がりやすくなるので、適量を意識することが必要です。
「糖化」によって老化が進む
「体のコゲ」とも言われる糖化は、体に入ってきた余分な糖質が体内のタンパク質などと結びついて細胞を劣化させることを指します。糖化によってコラーゲン繊維が破壊されると肌がくすんだり、シミができやすくなります。
甘いものの食べ過ぎで老化が進むなんて本当に怖いですよね。
そして実は老化だけではなく、血管の組織が糖化によってもろくなることで動脈硬化のリスクが高まるとも言われています。アルツハイマー病にも糖化が関連しているとの研究結果もあります。
余談ですが、甘いもの以外にも「糖質」の多い食べ物も注意が必要です。普段から主食として食べているお米、パン、うどんなどの麺類にはたくさんの糖質が含まれています。
甘いものをあまり食べないという人でも、朝はパン、お昼に丼もの、夜にカレーなどを食べてしまうと無意識のうちに糖質をたくさんとっていることになります。特に気にせず食事をしていると、どうしても糖質の多い食事になってしまうのです。
そのため、最近では「糖質制限」といって夜は主食を抜く、減らすなどして糖質を抑える工夫をしている人もいるようです。なかには全くとらないという人もいるようですが、糖質は三大栄養素のひとつなので極端な制限も考えものです。
そのため私は、食べる順番に気をつけて急に血糖値を上げないようにする工夫をしています。食べる量は同じでも、血糖値を急に上げないことは糖化を防ぐことにつながります。汁物→サラダ→副菜→メインのおかず→主食という順番で食べると、自然と主食を食べる量も減るのでおすすめです。
そして1つ1つ味わうこともポイントで、時間のある時にはひとくちたべるごとに箸を置いてゆっくり噛んで食べると満足感も出るのでおやつの甘いものもあまり欲しくなくなります。
参考:タイヘイの食事療法「炭水化物は最後までキープ」食べる順番で血糖上昇抑える
他の栄養素が不足する
甘いものは消化するときにブドウ糖になり、その後体のエネルギーとなります。甘いものや糖質を消化するためには、ビタミンB群やカルシウムが必要です。そのため甘いものが適量であれば問題ないのですが、とりすぎた場合はそれらの栄養素も不足しやすくなります。
脳神経を働かせるためのビタミンB1が足りなくなった場合はうつ病になりやすくなったり、カルシウムが足りなくなると骨粗しょう症になることもあります。甘いものを過食して極端に糖質が多くなると他の栄養素にも影響が出るのですね。
なぜストレスで甘いものが止まらない?そのメカニズム
なぜ、ストレスで甘いものの過食が止まらないのでしょうか?そのメカニズムをご紹介します。
「エンドルフィン」が合成されるため
エンドルフィンとは多幸感をもたらすといわれる、脳の神経伝達物質です。エンドルフィンは聞いたことがない方も、「ランナーズ・ハイ」という言葉はご存知の方が多いのではないでしょうか?
ランナーズ・ハイは、長く走ると最初は苦痛が多くてもさらに走り続けるとあるところから気分が高揚することですね。実はこの時に脳内に多く分泌されている神経伝達物質がエンドルフィンです。
これは、睡眠欲や食欲が満たされた時にも多く合成されるとも言われています。甘いものや脂質の多いものを食べた時により多くのエンドルフィンが合成されます。
すると、ランナーズ・ハイの時と同じように多幸感がもたらされるので体がどんどん甘いものやこってりしたものを欲してしまうのです。苦しいところからの差が大きければ大きいほど多幸感も強まると言われているので、ストレスがたまるとそれだけ甘いものを欲する気持ちも強まります。
「セロトニン」が合成されるため
セロトニンは「幸せホルモン」とも言われる脳内神経伝達物質です。太陽の光を浴びたり、身近な人とのスキンシップでも分泌されますが、実は甘いものを食べた時にも分泌されます。
セロトニンはバナナなどに多く含まれるトリプトファンから合成されるのですが、それを脳内に運ぶためにはブドウ糖が必要です。甘いものを消化するときにブドウ糖ができるので、甘いものをとるとそれだけ多くセロトニンが合成され、幸せな気分になるということです。
ストレスを解消するために無意識のうちに脳が幸せを感じようとして、結果的に甘いものを多く欲するようになるのですね。
砂糖依存症
ストレスが慢性的になっていて、甘いものでバランスをとっている場合は「砂糖依存症」になっている場合があります。
ブドウ糖に分解されやすい砂糖をとると血糖値が急上昇します。すると、急激に上がった血糖値を下げようとインスリンが働き、今度は血糖値が急に低下し低血糖の状態になります。
体が低血糖になると脳は空腹であるという信号を出すため、また甘いものを欲するようになります。これを繰り返すのが砂糖依存症です。
さらに上でも書いたように、甘いものを食べると幸せな気持ちになるために止めることができなくなるという側面もあります。脳の神経伝達物質がそうさせているため、簡単に甘いものの過食をやめるのは難しいということですね…。
過食に対処するコツ5つ
甘いものが止まらない理由は、ストレスから自分を守ろうとする働きからということが分かりました。ということは、甘いものをやめるのは意外と大変かもしれません。
しかしながら、欲望のままに食べているわけにもいきませんよね。ここからは、甘いものが止まらないときに試してほしい対処法をお伝えします。
対処法①:ストレスの原因を探る
上記で説明したように、ストレスは甘いものの過食につながります。では、あなたにとって何がストレスになっているのでしょうか?
何がストレスになっているのか、なぜストレスを感じているのか自分でもよく分からないときには、紙に書き出してみると頭の中が整理されます。時間のある時にあたたかい飲み物を用意し、リラックスした状態で始めるとより効果的です。
家ではどうしても集中できない場合には、休日にファミレスのモーニングなどに出かけてみるのもおすすめです。朝は頭もすっきりしていて考えがネガティブな方向に行くのも防げますし、周りにも程よく音があって集中できます。
朝はモーニングメニューもあり、リーズナブルなのも魅力ですよね(笑)
たとえそのストレスがすぐに解決できるものではなかったとしても、自分の気持ちに向き合い頭の中が整理されることでとてもすっきりするはずです。そうすると、自然と甘いものの過食もなくなるかもしれません。
対処法②:血糖値を急に上げない
砂糖依存症のところでもご紹介したように、血糖値の乱高下は低血糖を招き、甘いものの過食につながります。空腹時に甘いものを食べると血糖値が急に上がってしまうので、食べ方を工夫することが大切です。
甘いものを食べる前になにか糖質の低いものを食べることで血糖値の急上昇が防げるので、どうしても甘いものを食べるときには参考にしてみてくださいね。ナッツやヨーグルトは糖質が低く、ビタミンやタンパク質を含んでいるのでおすすめですよ。
対処法③:食べたものを記録し、食事内容を見直す
甘いものを過食してしまう理由は、1日3食の食事が足りていないのかもしれません。例えば、ダイエットを意識してサラダのみにしてしまうと、腹持ちが悪く結局間食に甘いものを食べてしまったという経験はありませんか?
同じサラダでも、低糖質・低カロリー・高たんぱくのサラダチキンなどを加えて食べることで満足感を感じることができ、お腹もすきにくくなるので間食を防げるかもしれません。
自分がいつもどんな食事をしているのか記録し見える化すると、食生活の偏りや甘いものを食べてしまう原因が分かるかもしれません。もちろん、紙に記入するのは面倒なので写真を撮っておいて見直すのが手軽でおすすめです。
対処法④:一呼吸おいて、気をそらす
歯磨きをすると口の中がさっぱりして、甘いものを食べたい気持ちもやわらぎます。
歯を磨いてしまうとまた口の中が汚れるのが嫌という心理もはたらきますし、丁寧に歯を磨くとその間に甘いものを食べたい気持ちがなくなるかもしれません。
余談ですが、歯磨きは毎日のことなのでどうしても適当になりがちですよね。忙しい時には本当に簡単に済ませてしまったり、お昼休憩でどうしても時間がないときにはうがいで済ませてしまったり。私だけでしょうか?
そんな時は、歯医者の定期検診に行ってみると歯磨きのモチベーションが上がります。定期健診であれば1000円前後で診てもらえますし、歯石をとってもらうとこれをキープしようと毎日の歯磨きを丁寧にするようになります。
お医者さんに相談すると正しい歯磨きの仕方や、おすすめの歯ブラシを教えてくれるのでぜひ積極的に話をしてみてください。私は定期検診に行ったことで歯磨きの時間が大幅にのびました。
それ以外では、甘さを感じるお茶を飲んでみる、ナッツなどの体にいいおやつをつまんで満足感を得るのもおすすめです。甘いものが食べたいのではなく、何か口に入れたいというだけのこともあるので一旦様子を見ると我慢できることもあります。
今はノンシュガーのお茶でもたくさんの種類が販売されています。私のおすすめは「ヨギティー ハーブティー レモンジンジャー」です。ノンカフェインでもちろん砂糖は入っていないのですがほんのり甘さを感じておいしいです。
ジンジャーなので体も温まり、ほっと一息つきたいときにもいいかもしれません。
参考:Amazon「ヨギティー ハーブティー レモンジンジャー」
対処法⑤:甘いものの買い置きをやめる
甘いものを食べたいときにすぐ近くにあるとそのまま食べてしまいますよね。思いきって甘いものの買い置きをやめると一旦冷静になる時間ができるので過食を防げます。
甘いものを食べたくても、外に出る準備をしてお財布を持って出かけるとなるとそのほうが面倒に感じて結果的に食べずに済むかもしれません。寒い季節にはさらに効果抜群です。
それでも食べたいとき、食べてしまったときには
上記の方法を試してもどうしても甘いものが止まらないとき、衝動的に食べてしまった時には、気持ちを切り替えることも大切です。
罪悪感を持たない
我慢していても、どうしても食べてしまった時は罪悪感を持ってしまいますよね。
私も、チョコレートを一つ食べようと思って食べたら手が止まらないまま2つ、3つと食べてしまう時があります。そんな時は自己嫌悪にもなります。
そんな時は、思い切って開き直りましょう!(笑)甘いものには栄養は少ないかもしれませんが、心の栄養にはなっています。甘いものを食べているときは本当に幸せですよね。それは事実ですし、食べた事実も変わらないのであれば罪悪感よりも満足感を大事にしましょう。
我慢しない日をつくる
衝動的に食べてしまうことが多いのであれば、思いきってこの日は甘いものを好きなだけ食べるという日をつくりましょう。なぜなら我慢しすぎると反動で甘いものが止まらないということにつながりますし、気持ちもつらくなってきます。
我慢しない日にどんなものが食べたいか調べる時間も幸せですよね。その日までは甘いものを我慢しようという気持ちにもなります。
そして甘いものを食べるときには五感をフル活用して満足感を得る工夫をすることで、自然と食べ過ぎることもなくなると思います。甘いものに合うお茶を用意して、好きな音楽などを流し、ゆったりとした気分で食べるとさらにおいしく感じるはずです。
まとめ
今回は、ストレスによってなぜ甘いものを過食してしまうのかとその対処法についてお伝えしました。以下に内容をまとめます。
○甘いものを食べすぎることによる弊害
- 糖尿病になりやすくなる
- 「糖化」によって老化が進む
- 他の栄養素が不足する
○なぜストレスで甘いものが止まらない?そのメカニズム
- 「エンドルフィン」が合成されるため
- 「セロトニン」が合成されるため
- 砂糖依存症
○過食に対処するコツ5つ
- ストレスの原因を探る対処法
- 血糖値を急に上げない
- 食べたものを記録し、食事内容を見直す
- 一呼吸おいて、気をそらす
- 甘いものの買い置きをやめる
○それでも食べたいとき、食べてしまったときには
- 罪悪感を持たない
- 我慢しない日をつくる
いかがでしたか?今回ご紹介した対処法を参考に、甘いものと上手につきあっていただければうれしいです。