
あなたは、歯痛や口内炎に悩まされたことはありますか?口の中のことは普段意識しないものの、痛みがあると急に気になって食事のたびにブルーな気持ちになりますよね。
私は食事中に誤って唇を噛んでしまうことから口内炎になることが多く、噛んでしまった後はしばらく口内炎と付き合うのかと本当に悲しい気持ちになります。しかも治るまで1週間くらいかかることもあり意外とやっかいですよね。
そして実は、歯痛や大量の口内炎はストレスが原因で発症することもあることをご存知ですか?今回はその理由と、場所を含めた特徴についてご紹介します。効果的な予防法やおすすめの治し方もお伝えします。
ライター:しょこここ
歯痛の種類
歯痛と一言で言っても原因や特徴はさまざまです。歯痛が起きる3つの原因についてご紹介します。
1.歯が原因の痛み
歯が痛い時にまず最初に疑うのが虫歯ではないでしょうか。私も幼い頃は虫歯が多かったので歯の痛みを感じることも多くありました。虫歯の治療も怖いので、つい受診するのが後回しになりがちですね。
口内にはもともとたくさんの菌が存在するのですが、甘いものを大量に食べ続けたり、口内環境が悪くなると虫歯になりやすくなります。
特に、ミュータンス菌は虫歯の原因菌として代表的であり、口の中の糖分を栄養にして歯垢を作り、ゆっくり歯の表面のエナメル質を溶かします。それが穴になった状態を「虫歯」と言います。
最初はそんなに痛みを感じなくても、治療をせず放置してしまうとどんどん痛くなるばかりです。特に奥歯など見えない場所にある歯は磨きにくく、進行具合も分かりにくいのでなるべく早く受診することが大切です。
他には知覚過敏が挙げられます。最近ではCMでも耳にするようになりました。熱いものや冷たいものを食べたときにキーンとなる症状が代表的です。
虫歯でも同じ症状が出ることがあるのですが、知覚過敏の場合は「10秒程度で痛みが治まること」「しみる歯をたたいても痛みがないこと」「歯の表面がきれいなこと」などの特徴があります。
また虫歯や知覚過敏でなくても、転んだりぶつける、または歯ぎしりによって歯が折れることでその場所から細菌が入り込み歯痛を引き起こすことがあります。傷が深い場合は抜歯が必要になることもあるので、こちらも早めに受診しましょう。
2.歯ぐきが原因の痛み
歯ぐきが原因の痛みで主なものとして歯周病が挙げられます。歯周病は、歯ぐきや骨などの組織が破壊される炎症性疾患のことです。40歳以上の8割がなっているとも言われています。8割とは驚きですよね。
歯周病は歯に付着した細菌が原因となって発症します。歯ぐきのみに炎症が起きている状態が特徴の「歯肉炎」の段階では自然治癒の可能性がありますが、炎症が進行した「歯周炎」の段階になると自然治癒は難しくなります。
歯周病は初期段階では自覚症状がないので、知らないうちに進行していくのが怖いですね。進行させないためには、歯医者に定期検診に行く習慣をつけるのがおすすめです。
3.非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)
歯にも歯ぐきにも問題がないのに歯痛がある状態をまとめて「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」と言います。非歯原性歯痛はいくつかに分類されるのですが、その中に「精神疾患による歯痛」があります。
精神疾患による歯痛は、統合失調症やうつ病が原因とされています。統合失調症やうつ病とストレスは深い関連があり、ストレスの原因を取り除くことで改善につながることが多くあります。そのため、ストレスによる歯痛はここに分類されます。
参考:第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局「歯痛の原因」
ストレスが原因で歯痛になる理由
ストレスが原因で歯痛が起きるのは、先ほど紹介したように精神疾患による非歯原性歯痛以外にも原因があるのでご紹介します。
理由①:唾液量の減少
唾液は常に私たちの口の中に存在していますよね。ただ単に口を潤しているのではなく、複数の役割を持っています。
- 消化作用:唾液に含まれる消化酵素が糖質を分解し、食べ物を消化しやすい状態にします。
- 嚥下作用(えんげさよう):食べたものがスムーズにのどを通るようにサポートします。
- 抗菌作用:体に入ってきた細菌から体を守り、健康維持に役立ちます。また、虫歯菌によって歯から溶け出したカルシウムやミネラルを歯に補充して修復する働きもあります。
- 自浄作用:口の中を清潔に保つことで、口臭や虫歯を防いでいます。
- 保護作用:口の中の粘膜を守ります。
上記のようにたくさんの大切な役割を持っている唾液ですが、ストレスがかかると分泌量が減ってしまいます。緊張しているときに口がとても乾くという経験は誰しもあるのではないでしょうか?
一時的なものであれば問題ないのですが、慢性的に続く場合は唾液量が減って口の中が乾燥する「ドライマウス」の可能性もあります。ドライマウスの原因としてストレスが挙げられるので、結果的に唾液量が減って虫歯になりやすくなり、歯痛につながります。
理由②:歯ぎしり
歯ぎしりは睡眠中に多いイメージですが、ストレスが強いと日中でも無意識に歯と歯を強くかみしめる場合があります。
歯ぎしりや強くかみしめることによって歯の表面が傷つくと、その場所から虫歯菌が侵入しやすくなり歯痛につながります。
ストレスが原因の歯痛の治し方
ストレスが原因の歯痛の場合におすすめの治し方についてご紹介します。
治し方①:軽運動
ストレスが原因の場合は、ストレスを取り除くことが最も大切です。自分なりのストレス発散方法を持っておくことはとても大切です。
しかし、忙しい毎日の中でなかなかストレス発散の時間を取れない方も多いのではないでしょうか。そんな時には軽い運動がおすすめです。
最寄りの一駅前で降りて自宅まで歩いたり、自宅でストレッチをして血行を良くするだけでもストレスは少しずつ減っていくはずです。ほんの少し、意識してみてくださいね。
治し方②:水分補給
唾液量が少なくなり、口が乾いた状態が続くと虫歯になりやすくなります。こまめに水分補給をすることで、口の乾燥を防ぐことができます。
また、温かい飲み物を飲むとほっとしますよね。ストレスの緩和にも役立つので、ぜひ意識的にお茶の時間を取り入れてみてください。
治し方③:ロイテリ菌の摂取
ロイテリ菌は虫歯の原因菌を減らす特徴のある乳酸菌です。ストレスによって唾液が減り、虫歯になりやすくなっている口内を守ってくれます。
とは言え、ロイテリ菌をどうやって摂取していいのか分かりませんよね。私は調べるまで「ロイテリ菌」という菌を知りませんでした。現在はロイテリ菌を含むタブレットやヨーグルトが販売されているようなのでチェックしてみてください。
治し方④:マウスピースの装着
ストレスで歯ぎしりをしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。日中は意識して歯ぎしりを止めることもできますが、睡眠中に歯ぎしりを止めるのはなかなか難しいですよね。かといって放置すると歯の状態は悪くなるばかりです。
ストレスをなくす努力が大前提ですが、歯を守るために夜はマウスピースを装着して寝るのもおすすめです。
口内炎の種類
ここまでは歯痛の種類や、ストレスが原因となる歯痛の治し方についてご紹介しました。
次に、歯痛と同じく口の中のトラブルである口内炎の主な種類や場所、特徴についてお伝えします。
1.アレルギーによる口内炎
入れ歯の金属などにアレルギーがある場合に発症します。
2.物理的刺激による口内炎(カタル性口内炎)
食事中に誤って唇や頬を噛んだ時や、入れ歯などの金属で口の中が傷つくことによって発症します。以下で説明するアフタ性口内炎と同じく口内の様々な場所で発症しますが、周囲との境界があいまいなのが特徴です。
3.ウイルス性口内炎
外からのウイルスが原因となって発症する口内炎です。
代表的なものとしてはカンジダ菌による口内炎が挙げられます。カンジダ菌は常在菌といって常に私たちの体内に存在していますが、疲れていて免疫力が下がると増殖して口内炎を発症します。
4.それ以外の口内炎(アフタ性口内炎)
朝起きたらなんとなく口の中が痛く、見てみると口内炎ができていた経験はありませんか?原因は特定されていませんが、寝不足や栄養の偏りなどによって発症すると考えられています。
アフタ性口内炎は最も一般的な口内炎で、口内のあらゆる場所に発症します。具体的には舌や唇、頬の粘膜の部分や歯ぐきでの発症が多いとされています。
参考:第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局「口内炎の原因」
大量の口内炎ができる理由
口内炎は一つできるとなぜかその後も続けてできてしまい、気づくと大量の口内炎ができていることはありませんか?口内炎はなぜ大量にできてしまうのか、理由を調べました。
理由①:偏った食生活
偏った食生活は、口内炎ができる大きな原因となります。特に、ビタミンB6とビタミンB2の不足は口内炎ができやすくなるので積極的に摂取することが望ましいです。
ビタミンB2には皮膚や粘膜を守る働きがあります。レバーやうなぎ、納豆に多く含まれています。レバーは独特のくさみと食感に特徴がありますし、うなぎは普段食べるにはちょっと高いですが、納豆なら毎日の食事に気軽に取り入れられるのではないでしょうか。
ビタミンB6にも、皮膚や粘膜を守る働きがあります。免疫機能を正常に維持する働きもあるので、健康に生活するためには欠かせない栄養素です。まぐろやカツオに多く含まれています。
私は、口内炎が大量にできてしまった時にはチョコラBBに頼ることもあります。口内炎のときは口が痛くてなんとなく食事が億劫になりますが、錠剤であれば手軽に栄養を摂取できるのでおすすめです。
理由②:口内の衛生不良
歯痛の場合と同じく、口内の衛生不良は口内炎の原因となります。同じように菌が口に入った場合でも、口内が衛生的でないと菌はますます繁殖してしまいます。
また、口内炎ができるとつい気になって舌で触ってしまうことはありませんか?できてしまった後は患部への刺激もあまりよくありません。
私は唇付近の場所に口内炎ができることが多いのですが、よく触ってしまいます。すると必ず悪化してしまうのですが、分かっていても気になってやめられません。その場合は、患部に貼り付けるパッチを利用すると患部に触ってしまうのを防げるのでおすすめです。
理由③:睡眠不足
睡眠不足は免疫力を低下させるため、口内炎ができる原因にもなります。
私は食事中に誤って唇を噛んでしまったことで口内炎になってしまうことが多いのですが、きちんとした食生活と睡眠をよくとれているときはならないことが多いです。なったとしても症状が軽いことが多いので、睡眠時間をきちんととって休養することは大切です。
また、免疫力の低下は口内炎だけではなく他の病気になる可能性も高めてしまうので、睡眠時間はきちんととるようにしましょう。
理由④:ストレス
ストレスによってミネラルやビタミンが多く消費されることで口内炎になりやすくなります。ミネラルは神経と筋肉を正常に機能させる特徴が、ビタミンは脳細胞を活性化させる特徴があります。
ミネラルは海藻や野菜類に多く含まれ、ビタミンは果物類に多く含まれるのでストレスを感じている方は特に意識して摂取してくださいね。
以上の4つが大量の口内炎ができる大きな理由です。
上記でお伝えした口内炎の原因となる「偏った食生活」や「睡眠不足」は、ストレスの多い時になりがちではありませんか?ゆっくり調理する時間や心にも余裕がないとコンビニに頼りがちになりますし、ストレスでよく眠れないこともありますよね。
過度のストレスは生活に悪影響を及ぼすことがよく分かります。ストレスをうまく発散することで生活習慣も改善される可能性はおおいにあります。
口内炎の予防法
次に、口内炎にならないためのおすすめの予防法をお伝えします。
予防法①:口内を清潔に保つ
口の中が汚れた状態が続くと口内環境が悪くなり、菌が繁殖する可能性が高くなります。毎食後に歯磨きをするのが理想的ですが、仕事や生活スタイルによって難しい場合もあるかと思います。
そんな時には短時間でできるうがいや、キシリトール入りのガムを食べるなどがおすすめです。口内炎だけでなく歯痛の予防にも効果的です。
予防法②:口内を乾燥させない
歯痛の場合と同じく、口内が乾燥しないようにすることも大切です。先に説明したように区内を潤す唾液は、口内を健康的に保つ役割を持っています。
唾液が少なくなるとその分口内の環境も悪くなるので、意識的に水分を取り口内環境を整えることが大切です。ジュースなど甘いものを選ぶと虫歯につながることもあるので、お茶など無糖の飲み物を選ぶのがおすすめです。
予防法③:規則正しい生活
口内炎ができるときを思い出してみると、忙しくてコンビニに頼りがちになっていたり、疲れがたまっている時が多いと感じませんか?私は睡眠不足のときにも口内炎になることがあります。
疲れがたまっていると感じたときには早く寝て休養を取り、食事で体に良いものを意識的にとるなど工夫してみてください。
口内炎の治し方
どんなに意識して予防していても気づくと口内炎ができているときもありますよね。なってしまった場合に1日でも早く治す方法についてもお伝えします。
治し方①:体を休める
疲れがある時は免疫力が低下している状態なので、まずは体を休めることが最も大切です。食事も普段より刺激の少ないものを選び、口内炎を刺激しないようにしましょう。
治し方②:歯磨きうがい
予防法とも重複しますが、口内の環境が悪いままだと治るまでの時間も長くなってしまいます。普段よりも意識して口内環境をよくするように努めることが大切です。
効果が立証されているわけではないようですが、うがい薬でぶくぶくうがいをすると早く治ると聞き実際にやってみたことがあります。治るのが早くなったかは分からないのですが、水だけでうがいするより口の中がさっぱりするような感じがありました。
自己責任にはなってしまいますが、気になる方は試してみるのもおすすめです。
治し方③:体をあたためすぎない
炎症を起こしているときには体をあたためすぎるとさらに炎症がひどくなってしまします。口内炎がある時には熱いお茶を飲むのもつらいと思うので、常温か冷たいお茶を飲んで身体を温めすぎないようにしてください。
まとめ
今回は、ストレスが原因で歯痛や口内炎ができる理由や場所の特徴と予防法・治し方についてご紹介しました。以下に内容をまとめます。
歯痛の種類
- 歯が原因の痛み
- 歯ぐきが原因の痛み
- 非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)
ストレスが原因で歯痛になる理由
- 唾液量の減少
- 歯ぎしり
ストレスが原因の歯痛の治し方
- 軽運動
- 水分補給
- ロイテリ菌の摂取
- マウスピースの装着
口内炎の種類
- アレルギーによる口内炎
- 物理的刺激による口内炎(カタル性口内炎)
- ウイルス性口内炎
- それ以外の口内炎(アフタ性口内炎)
大量の口内炎ができる理由
- 偏った食生活
- 口内の衛生不良
- 睡眠不足
- ストレス
口内炎の予防法
- 口内を清潔に保つ
- 口内を乾燥させない
- 規則正しい生活
口内炎の治し方
- 体を休める
- 歯磨きうがい
- 体をあたためすぎない
ストレスが睡眠不足や偏った食生活の原因となり、結果的に歯痛や口内炎を引き起こすことにつながります。ストレスの発散、口内環境を常に良くしておくことを意識して健康な生活を送っていただければと思います。