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ストレスが胃もたれ・吐き気の原因に?解消法と治し方4つ

こんにちは。早速質問なのですが、これを読んでいるあなたは普段ストレスを感じることはありますか?おそらく、ほぼ全員と言っていいほどの方が「あります」と答えるのではないでしょうか。

私も満員電車でのストレス・特定の人間関係など理由の分かるものから、なんとなくイライラする理由の分からないストレスまで、日々ストレスを感じることがあります。

少し前には「ストレス社会で闘うあなたに。」とのうたい文句でGABA配合のチョコレートも発売され、現代人は皆ストレスとは無縁でいられないのだと強く感じました。

しかしながら、ストレスによって体にも不調が出ている場合はきちんと向き合って対処していく必要があります。最近胃もたれや吐き気が続いてはいませんか?それは実はストレスが原因かもしれません。

今回は、ストレスが体に影響を及ぼすメカニズムとその解消法・治し方についてご紹介します。

ライター:しょこここ

ストレスとは

大辞林によるとストレスは、「精神的緊張・心労・苦痛・寒冷・感染などごく普通にみられる刺激が原因で引き起こされる生体機能の変化。一般的には、精神的・肉体的に負担となる刺激や状況をいう」とあります。

また、ストレスについて研究したオーストリア出身の生理学者ハンス・セリエはストレスを「外部環境からの刺激によって起こる歪みに対する非特異的反応」と定義し、ストレスを引き起こす原因は下記の4つに分類されるとしました。

  • 物理的ストレッサー
    寒冷、騒音、放射線など
  • 化学的ストレッサーなど
    酵素、薬物、化学物質など
  • 生物的ストレッサー
    炎症、感染、カビなど
  • 心理的ストレッサー
    怒り、緊張、不安、喪失など

ストレスといえば4つ目の心理的ストレッサーが原因だとイメージする方が多いかもしれません。しかし私たちは動物なので、寒冷などの肉体的苦痛もストレスにつながるということですね。

精神的にはストレスがないと感じていても、日々の気温や環境の変化が知らず知らずのうちにストレスとなっている可能性もあります。

例えば、物理的ストレッサーの「騒音」は意外と経験がある方が多いと思います。電車で隣に座った人のイヤホンから音が漏れていたり、貧乏ゆすりする人が近くにいて気になったりと大きな音ではなくても騒音はたくさんあります。

かといって、知らない人なのでなかなか注意もできませんよね…。

聞いているときにはそんなにストレスを感じていなくても、それがなくなった時に解放感があるのであれば思ったよりストレスを受けているのかもしれません。可能な限り、ストレスの原因から距離をとるのが得策と言えます。

ストレスが胃もたれ・吐き気の原因になる?そのメカニズム

では、なぜストレスが胃もたれや吐き気の原因になるのでしょうか?それは、「自律神経」がポイントとなっています。

上でご紹介した生理学者のハンスは、人間はストレスを受けたときにそれに適応しホメオスタシス(恒常性)を維持しようとする生化学的反応(適応症候群)を見せると唱えています。簡単にいうと、人間はストレスを受けたときにはそれに適応しようとする力がはたらくということですね。

そのために必要なのが、ホルモン分泌や自律神経がきちんと機能することだと主張しています。ストレスが強くなりすぎて自律神経がうまく機能しなくなると、ますますストレスに抵抗することができなくなっていくそうです。怖いですね…。

そしてその「自律神経」は交感神経と副交感神経に分類されます。その副交感神経と深く関わるのが「胃」です。これに関しては自律神経についてご紹介してから説明します。

参考:Wikipedia「ハンス・セリエ」ページ

自律神経とは

私たちの体にある神経は大きく分けると「中枢神経」と「末梢神経」があります。そのひとつである末梢神経はさらに、自分でコントロールできる「体性神経」と自分ではコントロールできない「自律神経」に分かれます。

自律神経は交感神経と副交感神経のバランスをとることで、人間の活動を支えています。

交感神経は、アクセルのようなイメージで活動時に活発に働き、たくさんの器官を一括してコントロールすることができます。副交感神経は、ブレーキのようなイメージで休息時に活発に働き、それぞれの器官を部分的にコントロールします。

バランスがとれていれば交感神経は決して悪者ではありません。ただ、仕事が夜遅くまで続いたり、ストレスの多い生活によって交感神経が優位な状態がずっと続くと不眠やうつなどの症状が出ることもあります。

そして実は唾液の分泌量を増やすなど、胃腸を活発に働かせるのもこの副交感神経です。ストレスによって交感神経が優位になり続けると胃に不調をきたすのはこういったメカニズムです。副交感神経の働きが弱くなることで、胃もたれ・吐き気の症状が出やすくなります。

参考:花王ヘルスナビ「自律神経の基礎知識【交感神経と副交感神経】」

ストレスによる胃もたれ・吐き気の解消法と治し方4つ

上でご紹介したように、胃もたれ・吐き気の解消法・治し方として「自律神経がきちんと機能する」ことが重要なポイントとなります。自律神経を整えるために今日からできる解消法・治し方を4つご紹介していきます。

1.食事に気をつける

胃の機能と言えば「消化」が一番に出てくるほど胃は食べもの、食事と関係の深い臓器です。そのため食事を工夫することは胃もたれ・吐き気の解消のためにとても大切です。

具体的には、

  • よく噛むことを意識してゆっくり時間をかけて食べる
  • 胃に負担をかける食べもの(食物繊維や脂肪の多いもの、極端に辛いものなど)をとりすぎない
  • 調理法を工夫する(やわらかく煮て消化しやすいようにする、油っこくしすぎないなど
  • 寝る3時間ほど前までに食事を終える

などが挙げられます。

ストレスによって過食気味になり、食べすぎることによって胃もたれ・吐き気につながってしまう方もいるかもしれません。

これは私の実感なのですが、そんな時は「食事に集中すること」を意識すると食事の量をぐんと減らせます。さらに一口食べるごとに一度箸を置いて、味の感想を考えながら食べると不思議と満腹感が出るように思います。ぜひ参考にしてみてください。

2.運動をする

胃もたれ・吐き気の原因にもなる自律神経の乱れには運動も解消法・治し方として有効です。
特にウォーキングなど一定のリズムをきざむリズム運動がおすすめです。

なぜかというと、ウォーキングなどのリズム運動は神経伝達物質であり幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンを増やす効果があると言われています。セロトニンは副交感神経の働きを高めて自律神経のバランスをとるのに役立ちます。

私は早歩きで30分ほどかかる、近所のお気に入りの散歩コースがあります。食べすぎた時やなんとなくやる気が出ないときにウォーキングをすると、帰る頃には頭がすっきりしています。また、30分だと体もちょうどよくあたたまってとても心地よいのでおすすめです。

ストレス解消法についてはこちらの記事にもかきましたので参考にしてください。

さらに、東北大学は「気分を落ち着かせる音楽を聴きながら運動をすることで副交感神経の低下を防ぐことができる」との研究結果を発表しています。運動中に交感神経が高まることで、動悸や息切れなどの症状が出ることも防いでくれるそうです。

運動するときにはぜひ、お気に入りの落ち着く音楽をお供にしてみてください。

参考:糖尿病ネットワーク「音楽を聴きながらウォーキング 自律神経を整え心臓がリラックス」

3.お風呂につかる

37℃~39℃くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかるのも自律神経を整え、結果的に胃もたれ・吐き気の解消につながります。

日中は交感神経のはたらきが優位になっていますが、ぬるめのお風呂に入ることでリラックスし副交感神経が刺激されると言われています。

参考:日本医師会「健康になる!お風呂の効用」ページ

しかし、お風呂の温度については諸説あります。

  • ぬるめのお湯がよいという説
  • ぬるめの半身浴がよいという説
  • 熱めのお湯と冷水を交互に入るとよいという説

さて、どの説が正しいのかというと、一般的には「ぬるめ」を推奨されていますよね。

しかし銭湯やスーパー銭湯などで「ぬるめ」のお湯はむしろ少なめではないでしょうか。多くの湯船は39度~45度くらい、熱い所では50度の銭湯もあるとか。

銭湯好きとしては「ぬるめ説」と「熱い風呂幸せ説」とどちらをとるかといえば・・・

それは迷うことなく「熱いお風呂」ですね!温冷浴という言葉をしっていますでしょうか。

熱いお風呂と冷たい水風呂を交互に入る、という入り方なのですが、私はストレスがたまったら必ず銭湯に行って温冷浴を行います。

41度くらいの「ちょっと熱いかな」というくらいのお風呂に大体7分くらいじっくり浸かり、そのあと水風呂に肩までつかります。

「ザバー」と水があふれるくらい一気に浸かるのがコツ!最初はつま先をつけただけで刺すように感じた冷たさもすぐに心地よさに変わります。

これを1時間から1時間半くらい繰り返すことで体が心から温まります。あなたはヒートショックプロテインという言葉を聞いたことがありますか?

これは細胞内の傷ついたタンパク質を修復してくれる成分のこと。美容のためにヒートショックプロテインをせっせと増やす女性もおおいと聞きます。

このヒートショックプロテインは健康の元でもあります。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

このヒートショックプロテインを増やすには上に書いたような温冷浴は最適なのです。

血圧が上がったり下がったりを繰り返すことで体に適度なストレスを与えることでヒーとショックプロテインが増えるようです。

百聞は一見にしかず、トライしてみてください。5回~7回繰り返したあとは体は適度に疲れています。

入浴の1時間半から2時間後には寝床にはいるくらいが健康的ですね。私は温冷浴が最強のストレス解消法かも!と思っています。

4.冷やさない

冷えることで体がストレスを感じ、自律神経が乱れることがあります。また、1℃体温が下がると30パーセント免疫が落ちるとも言われるほど私たちにとって冷えは大敵です。

冷やさないためにできることをいくつかご紹介します。

冷たいものを飲む習慣がある場合は、温かいものを飲むようにする

コーヒーや緑茶は温かいものでも利尿作用があり体を冷やしやすくするので、紅茶やほうじ茶など発酵させた飲み物を選ぶようにするとより良いです。朝起きてすぐに白湯を飲むのも胃があたたまるのでおすすめです。

白湯は味がしなくて苦手という方もいらっしゃるかもしれません。私もどちらかというとお茶など味のする飲み物のほうが好きなのですが、寒い季節の朝はなるべく白湯を飲むようにしています。慣れないうちはおいしいと感じないのですが、慣れてくるとなんとなく甘く感じるようになります。

胃があたたまるとその後の食事の消化も良くなるそうなので、少しずつ取り入れてみてください。

あたたかい食べ物を意識してとる

アイスクリームなど冷たいものは直接胃を冷やしてしまい、胃もたれ・吐き気につながってしまいます。また、砂糖の多いものや夏にとれる野菜も体を冷やしてしまうので、根菜など冬にとれる野菜やお肉を積極的にとってみてください。

こまめな体温調節をする

寒い時期には腰にホッカイロを貼る、ストールなどの小物をプラスするなどの工夫で冷えは防げます。特に血流が集まる首・手首・足首の3つの首を温めるとあたたかい血が巡り全身がポカポカします。

筋肉をつける

筋肉を増やすことで代謝が上がり、熱を生み出せる体になります。特に多くの筋肉がある太ももやふくらはぎの筋肉を鍛えると効率よく代謝が上げられます。とは言え、なかなか続けるのが難しい、何から始めたら良いのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。

その場合は思い切ってジムに入会するのもひとつの方法です。今はジムも多様で、24時間営業や月に3000円程度で継続できるところもあります。トレーナーにきちんと基礎を教えてもらうことでけがのリスクの少ないトレーニングができますし、他の会員さんが頑張っているのを見て継続の励みにもなります。

もしジムでのトレーニングが難しい場合はスクワットから始めるのがおすすめです。YouTubeなどの動画サイトでは、トレーナーが正しいやり方を紹介しているものもありますし、特別な道具もいりません。下半身が鍛えられると代謝もかなり上がるはずです。

無理のない範囲で筋トレを始めてみてはいかがでしょうか?

参考①:Rhythm「筋肉をつけよう!冷え性改善のための運動のススメ【医師監修】」

参考②:サワイ健康推進課(沢井製薬)「1日1回1℃アップで代謝のいいカラダ」

まとめ

いかがでしたか?今回はストレスによって胃もたれ・吐き気がなぜ引き起こされるかのメカニズムと解消法・治し方についてご紹介しました。

生理学者のハンス・セリエはストレスを、以下の4種類のストレッサーによって起こる歪みに対する非特異的反応であると、定義しました。

  1. 物理的ストレッサー
  2. 化学的ストレッサー
  3. 生物的ストレッサー
  4. 心理的ストレッサー

 

ストレスが胃もたれ・吐き気の原因になる理由とそのメカニズムを紹介。

  1. 人間はストレスを受けたときにはそれに適応しようとする力がはたらき、そのためには自律神経がきちんと機能することが必要
  2. 唾液の分泌量を増やすなど、胃腸を活発に働かせるのは自律神経のひとつである副交感神経のため、ストレスによって交感神経が常に優位な状態が続くと胃もたれ・吐き気の原因となる

自律神経とは末梢神経のひとつであり、交感神経と副交感神経のバランスをとりながら人間の活動を支えている。

ストレスによる胃もたれ・吐き気の解消法と治し方は以下の4つ

  1. 食事に気を付ける
  2. 運動をする
  3. お風呂にゆっくりつかる
  4. 冷やさない

最近胃もたれ・吐き気があるという時にはぜひこちらの解消法・治し方を参考にしてみてくださいね。ただ、症状が長く続く場合はなにか病気が隠れている場合もあります。その時には、早めに医療機関を受診してください。

自律神経を整えて健やかな毎日を過ごしていきましょう!

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