LIFE

ストレスで20代でも物忘れ、記憶力低下、集中力低下が?!病院以外の改善法5つ

 

最近物忘れがひどいということはありませんか?久しぶりに会った人の名前が思い出せない、物を置いた場所をすぐに忘れてしまうなど、単に物忘れと言っても頻繁にあるとストレスになりますよね。

最近では年を重ねた方のみでなく20代でも物忘れ、記憶力低下、集中力低下に悩んでいる方もいます。原因は様々ですが、実はストレスが原因となっていることもあると知っていましたか?

今回はストレスが物忘れや記憶力低下の原因になる理由と、病院に行く前に実践できる改善法を5つご紹介します。

ライター:しょこここ

物忘れはなぜ起きるのか

記憶の流れについて

物忘れはどうして起きるのかを説明する前に、人はどのようにして記憶をしているのかのメカニズムをご紹介します。

記憶には3つのステップがあります。1つ目は脳が情報を受けとる「記銘(きめい)」、2つ目はその受け取った情報を保つ「保持」、3つ目はその情報を思い出す「想起」です。

情報は目や耳から受けとり、脳の「海馬」というところで保管されます。ただ、海馬に情報が保管されるのは一時的なもので、その後も繰り返して情報を受けとったり思い出したりすることで今度は「大脳皮質」に送られます。

海馬はとても容量が小さいため、数秒から1分間ほどの短い記憶しかとどまることができません。大脳皮質は容量が大きいので長いと年単位にも及ぶ長期の記憶が可能です。

学生の頃、テストのために一夜漬けをして必死に覚えてなんとか赤点は免れたものの、テストの次の日になるとケロッと忘れてしまったことはありませんか?これは短期記憶によるもので、何度も何度も繰り返して覚えないと長期記憶にならないからなのですね。

ちなみに、長期記憶は「陳述記憶」と「手続き記憶」の2つに分けることができます。

過去の思い出や知識は陳述記憶に分類され、記憶障害になった場合には忘れてしまいます。
一方で、一度覚えた自転車の乗り方やりんごの皮のむき方はなかなか忘れませんよね。こちらは手続き記憶に分類され、記憶障害になった場合でも失われにくい記憶であると言われています。

物忘れは何が原因になって起きる?

記憶は、脳の海馬と大脳皮質が深く関係しているとご説明しました。物忘れが起きる最大の原因としてはやはり「加齢による脳の老化」が挙げられます。

年を重ねることで体の不調が出てくることもあるかと思いますが、同じように脳も老化していきます。神経細胞の機能の低下や、活性酸素によるダメージなどによって若い時より脳がうまく機能しなくなり、物忘れが起きます。

また、睡眠不足も大きな原因となります。私たちは寝ている間に、日中得た情報の処理を脳が行っています。ノンレム睡眠の時に、海馬から大脳皮質へ情報を送り長期記憶として定着させているとも言われています。

そのため睡眠が足りないと、うまく記憶の定着ができません。それだけでなく、アルツハイマー病の原因になる老廃物の除去も睡眠時に行っているので、眠りが足りないと病気のリスクも高めてしまいます。

そして、ストレスも物忘れの大きな原因になると言われています。
人はストレスを受けるとコルチゾールというホルモンが分泌されます。このコルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、脳の海馬の働きを鈍くし記憶力低下につながります。

海馬は短期記憶を司る部位なので、ここの働きが鈍くなると最近の出来事が覚えていられなくなり、物忘れの原因になります。

物忘れ、記憶力低下、集中力低下が気になる時に疑うべき病気

物忘れや記憶力低下、集中力低下が気になる時、実は重大な病気が隠れているかもしれません。「最近物忘れがひどいなあ」と感じるときに疑うべき病気についてご紹介します。

認知症

物忘れ、記憶力低下、集中力低下と聞いて一番に思いつくのが認知症ではないでしょうか。脳の神経細胞が死滅・減少していくことで起きる病気で、日常生活に支障をきたすほどの物忘れが起こります。

認知症は、脳の神経細胞の変化によって起きる「変性性認知症」と、外傷や他の病気によって発症する「二次性認知症」の2つに分類されます。

症状が進むと一度に複数のことができなくなったり、場所の感覚がなくなることもあります。また、感情面でも怒りっぽくなる、うつ状態になる、妄想がひどくなるなどの変化が起きることがあり、進行すると一人での生活が難しく、周りの人の手助けが必要となります。

老化による物忘れとの違いは、「きっかけがあって思い出せるかどうか」だと言われています。例えば、どこかへ旅行へ行った時のことを話していて、その中でどこへ行ったかなどの記憶が戻るのであれば単なる物忘れですが、旅行へ行ったこと自体を忘れてしまうのは認知症を疑うべきです。

参考:相談e-65.net「認知症について知っておきたい基礎知識」

若年性認知症(若年性アルツハイマー)

上記の認知症の中でも、65歳未満で発症した場合は「若年性認知症」と診断されます。映画や文学作品でも取り上げられることが多いので聞いたことがある方も多いかもしれません。アルツハイマー型認知症は、いくつかある認知症の種類の中で最も多い6割ほどを占めます。

若年性認知症では異常たんぱく質であるアミロイドβが脳に蓄積することにより神経細胞が減少、委縮していきます。症状は比較的緩やかに進行するので、気づいたときには思ったよりも症状が進んでいたということもある怖い病気です。

初期には抑うつや集中力低下が見られ、中期になると記憶力低下や物忘れが起きます。自分がいる場所が分からなくなり迷子になったり、簡単な計算や料理もできなくなります。

まだまだ若い20代でも発症することがあるので、年齢関係なくおかしいと感じたら早めに病院で診察を受けることが大切です。完全には解明されていないようですが、遺伝による「家族性アルツハイマー」もあると言われているので合わせて家族にも確認してみてください。

自律神経失調症

自律神経とは、活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経の2つからなっています。通常はこの2つのバランスを取りながら人は活動していますが、そのバランスが崩れてしまう状態を自律神経失調症と言います。

原因としては強いストレスや生活習慣が挙げられ、集中力低下や記憶力低下の他にも頭痛やめまいなどの身体面にも支障をきたします。そのため治療法は自律神経を整える薬を使いつつも、ストレスの除去や生活習慣を整えることが最優先となります。

自律神経に関しての詳しい説明と整え方についてこちらの記事により詳しく書いているので、ぜひこちらも合わせてチェックしてみてください。

Kirrinのネタ帳「ストレスが胃もたれ・吐き気の原因に?解消法と治し方4つ」

慢性疲労症候群

慢性疲労症候群とは、原因の分からない強い疲労が6か月以上の長い期間続く病気です。
精神面では集中力低下や記憶力低下、思考力低下によって日常生活を送るのが困難になることもあります。

身体面では体温調節がうまくできなくなることで微熱が続いたり、筋肉痛や関節痛が続くこともあります。睡眠や休息での回復も遅くなるため、ひどくなると外出が困難になることもあります。

ただ慢性疲労症候群については、病理学的に完全に定義されていません。まだまだ研究途中なので解明されていることが少ないとも言われています。

参考:Wikipedia「慢性疲労症候群」

うつ病

記憶力低下、集中力低下が続くときには心の病気であるうつ病も疑いましょう。

長い時間気分の落ち込みが続き、日常生活にも支障をきたす病気であるうつ病。
私はうつ病の一歩手前の抑うつ状態と診断されたことがあるのですが、その時は異常なほどに物忘れをしていました。

事務の仕事をしていたのですが、集中力低下により新しい仕事が覚えられず落ち込み、さらにうつ状態になるという悪循環でした。常に目の前にモヤがかかったかのような状態で、自分でどうにかしようとしても物忘れが止められないのです。

自分自身がその状態にある時には気づくことができないのですが、ある時に朝から意味もなく涙が出てきて止まらず病院を受診したところ抑うつ状態と診断されました。自分のせいだと責めるとさらに症状が進んでしまうので、おかしいと感じたら病院に行ってみてくださいね。

うつ病に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。

kirinのネタ帳「仕事に行けない!30代・40代に多いうつ病、こんな症状は要注意」

kirrinのネタ帳「会社に行きたくない、怒られる、辞めたい!40代、うつ病になる前に必ず知っておくこと!」

kirrinのネタ帳「うつ病にも色々ある?うつ病の種類や診断名は複数あった!」

病院以外の改善法5つ

物忘れや記憶力低下、集中力低下を感じるけれども上記の病気ではない場合、病院に行かず今日からでもできる改善方法について5つご紹介します。

改善法①:ストレスコントロール

上記でご紹介したようにストレスはうつ病や自律神経失調症の原因になったり、短期記憶に深く関わる海馬に悪影響を与えてしまうためうまくコントロールすることが必要です。

しかしながら現代社会で生きる中でストレスを全く感じないということは難しいですよね。そもそもストレスを感じること自体は悪いことだけではありません。ストレスがあることによって、やるべきことをきちんと行ったり、改善点を考えるきっかけになることもあります。

ストレスはうまくコントロールして付き合うことが大切です。夢中になれるものを見つけたり、何も考えない時間を意識的につくったりと工夫してみてくださいね。ストレス解消法がうまく見つからないという方はこちらの記事を参考にしてみてください。

Kirrinのネタ帳「ストレス解消方法がわからないあなたに!いますぐできる4つの方法」

改善法②:細胞の活性化

細胞の活性化によって脳が活発に働くようになり、結果的に記憶力低下、集中力低下の改善につながります。しかし「細胞の活性化」とは言っても何をしたらいいか分かりませんよね。

具体的には、「新しいことにチャレンジすること」が有効です。今まで勉強したことのない分野の勉強を始めたり、作ったことのない料理に挑戦してみる、知らない土地を歩いてみるなど脳にとって新鮮なことをすると脳は活発に働くようになります。

20代、30代、40代と年を重ねるごとに新しいことにチャレンジする機会は自分で作っていかないとなかなか訪れません。脳のためにもぜひ何か新しく興味の持てることを探してみてください。

より簡単にできることとしては、普段とは逆の利き手で何かをしてみると普段とは違う感覚を得られ、脳の細胞も活性化します。何気なく行っていることにも新鮮さを感じることができるので新しい発見もあるかもしれません。

改善法③:適度な運動

30分ほど気持ちいい速度で歩いた後、体はもちろん頭もすっきりしたという経験はありませんか?それは歩くことで体に多く酸素を取り込み、脳の血流量が増えるからです。

脳の血流量が増えると脳が活発に動くので、記憶力や集中力が上がります。
勉強や仕事をしなければならないのになんとなくやる気が出ないときには、一度中断して近くを歩いたり、ストレッチをしてみてください。

気づいたときだけでももちろんいいのですが、できたら少しずつ適度な運動を習慣づけるといいかと思います。脳にいいだけではなく、ストレス解消にもなるのでそちらの面でも記憶力低下や集中力低下を防げます。

人間は20代をピークに、運動をしないと筋肉量も下がっていくと言われています。ハードな筋トレは難しくても毎日コツコツと続けるのは負担が少ないながら年をとってからのメリットは大きいかと思います。体温も上がるので免疫も上がり、病気予防にも効果的です。

しかし、実はストレスコントロールに理想的なのは適度な運動ではなく、少し激しい運動です。 こちらの記事にも書きましたが、運動ができる環境にあるならば、是非とりくんでほしいと思います。

kirrinのネタ帳「ストレスが咳、たん、息苦しい原因に?子供にも有効な治し方5つ」

心療内科の医師にもうつ病の最大の治療薬は運動である、と主張される方は多いです。

改善法④:睡眠

脳は睡眠時に必要な情報と不必要な情報を振り分けて必要な情報は大脳皮質へと送ります。そのため充分な睡眠時間がとれないと記憶力低下や物忘れにつながります。

私は学生時代、テストの前日でも睡眠時間はきちんと確保した方がいいと先生にアドバイスされたことがありました。その時は理由もわからずその通りにしていたのですが、確かにきちんと寝て起きた後のほうが情報が整理されて、頭がすっきりしていました。

ちなみに「良い睡眠」について考えたことはありますか?寝つきよく、ぐっすり眠り、寝起きがいいことが良い睡眠の条件と言えます。

そのためにできることをいくつかご紹介します。

  • 眠る前に温かい飲み物(カフェインを含まないもの)を飲む
  • 深部体温を下げる
  • 眠る前の3時間前には食事をすませる
  • 温冷浴(ヒートショックプロテイン浴)
  • 日中はきちんと活動する
  • リラックスできる音楽を流したり、好きな香りをかぐ
  • 寝る1時間前からはスマホやパソコンなどのブルーライトを避ける

ヒートショックプロテイン浴という言葉を聞いたことはありますか?もしかしたら、深部体温を下げる、ということがあまり聞き馴染みがないかもしれませんね。

少し説明致しますと、深部体温とは体の内部の温度のことです。眠るとき、私達の体の体温は下がっています。逆に深部体温が高い状態だと眠りにくいです。

私はこの事実を知るまで、体を冷やすと眠れないので布団に入る前には温かいお風呂にしっかり浸かり、ポカポカ状態で寝るのがよいと思い込んでいました。

しかし、実際はお風呂には寝る1時間半から2時間前には入り終わっていることが重要であるということを知りました。

それはお風呂に浸かったあとで深部体温が冷えるまで約1時間半から2時間程度必要だからです。

上記に加えて、私は運動を毎日の生活に取り入れています。これは不眠にものすごく効果がありました。具体的には自転車を自宅で漕いでいるのですが、自転車は単純な有酸素運動です。

自転車はずいぶん前から乗っているのですが、毎日乗り始めたのは

反復運動であり、有酸素運動はセロトニンを大量に分泌させます。

このセロトニンは時間の経過とともに、メラトニンになります。つまり、日中の有酸素運動は夜の眠り成分を作る行為なのです。

このことを知ってから、毎日の運動と、入眠前に深部体温を下げるようコントロールしたところ、不眠はウソのようになくなりました。

参考:Yomeishuサイト「睡眠が変われば暮らしが変わる」

また、私は朝起きたときに、「あー良く寝た!」と声に出して言うことと、起きたらすぐにカーテンを開けて太陽の光をたっぷり浴びるようにしています。たとえよく眠れなかった日でも、この言葉によって良く寝たと感じますし、太陽の光で体内時計が正しくリセットされます。

20代以降は社会人として忙しい毎日を過ごしている方も多いかと思うので、睡眠時間をどう確保するかは課題ですよね。全部を実行することは難しいので、できそうなものから実践してみてくださいね。7~8時間程の睡眠時間を確保できると理想的です。

改善法⑤:栄養バランスの良い食事

栄養バランスの良い食事は将来病院にお世話にならないためにも、健康的に生きていくうえでも大切です。記憶力低下や集中力低下を防ぐためにも栄養バランスの良い食事を心がけたいものです。

特に神経細胞をつくる「DHA」、「アラキドン酸」の2つは脳のためにきちんととりたい栄養素です。

DHAは脳の情報伝達をスムーズにする効果があります。記憶力を高めるので、これからたくさんのことを覚えていかなければならない赤ちゃんのため、母乳にもたくさんのDHAが含まれているんですよ。

他にも、脳細胞の活性化や脳神経の再生、神経の保護など脳にうれしい効果がたくさんあります。サバやイワシなどの青魚に多く含まれています。

サバやイワシは缶詰で売られていることも多く、白菜や大根などの野菜と一緒に煮るだけで簡単に一品料理ができてしまいます。保存もきくので安く売っているときにまとめて買っておくと便利かと思います。

アラキドン酸は脳内に存在する必須脂肪酸のひとつです。実験により、記憶力低下に効果があると証明されています。また、認知症は完治が難しいと言われていますが、アラキドン酸の摂取によって改善する可能性があるとも言われています。

多く含まれる食品は、肉や卵などの動物性たんぱく質です。特に豚レバーには100g中約300㎎含まれているので効率的にとりたい方におすすめです。

参考:J-STAGEオレオサイエンス「脳機能に及ぼすアラキドン酸摂取の影響」

まとめ

20代でも物忘れ、記憶力低下、集中力低下が起きる原因や改善法について参考になりましたでしょうか?以下に内容をまとめます。

【物忘れはなぜ起きるのか】

  • 人間は記銘→保持→想起の3段階のステップで記憶している
  • 老化、睡眠不足、ストレスが物忘れの大きな原因となっている

【物忘れ、記憶力低下、集中力低下が気になる時に疑うべき病気】

  • 認知症
  • 若年性認知症(若年性アルツハイマー)
  • 自律神経失調症
  • 慢性疲労症候群
  • うつ病

【病院以外の改善法5つ】

  1. ストレスコントロール
  2. 細胞の活性化
  3. 適度な運動(激しい運動ならなお良い)
  4. 睡眠
  5. 栄養バランスの良い食事

20代という若い世代でも物忘れは起きることがあります。今後病院に通わなくても良いように、20代から対策をしていきましょう。30代以降の方も、今日から始めることで将来の健康寿命は確実にのびるはずなので、できることからコツコツとがんばっていきましょう!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。