
会社を辞めることを切り出すのは思わぬストレスがかかるもの。なぜならば、自分だけの問題ではなく、上司にとっても、部門にとっても、会社にとってもそれなりに大きなインパクトのある出来事になることがわかるからですね。
スムーズに辞めるには切り出し方も工夫が必要でしょうし、小さい会社なら社長に直訴、なんてことも視野に。私も転職経験が有りますので、経験を踏まえ、パートの場合にも言及しながら、書きたいと思います。
また、会社を辞める理由ランキングを見ながら、円満に退職する理由を上げてみました。最後に、女性が語る退職理由が本音と違うことにフォーカスしてみます。では一緒に勉強していきましょう。
Contents
退職の切り出し方はクリエイティブな仕事
会社を辞めることを決意した貴方。上司に退職を切り出すのは、かなり勇気がいることと思います。私も随分悩み、緊張しながら切り出しました。実は会社を辞めるのはクリエイティブな仕事なんです。
まずは5W1Hのどこで、いつ、どのように、という点を見てみましょう。
WHEN いつ
これが実は一番大切ポイントなのですが、いつ伝えるかは会社を円満に辞めるためのセッティングのベースです。会社を辞めるのは、2週間前に伝えても可能です。
あなたが正社員でもパートでも関係ありません。2週間前にいえば辞めることができます。しかし、これは最悪のケース。
あなたが、会社を辞めることの切り出し方を悩んでいるのならば、貴方は職場で大切にされているはずです。
その貴方から退職の意思を告げられた上司は少なからずともショックです。部下が辞めることは上司の評価にもつながることですから上司のショックを和らげることを考えて上げましょう。
貴方が退職を決めたら、希望退職日から逆算して可能であれば、半年前までに告げることができればよいです。もちろん、それよりも前であれば、更にベターです。
何もきっかけが無く、上司に伝えるのも良いですが、実はチャンスも有ります。それは人事考課の面談の時です。
会社では人事考課面談を管理職に義務付けていることが有ります。そのため、1年に1度か2度、上司に呼ばれ、面談をする機会がめぐってくることがありませんか?このタイミングは退職を切り出すチャンスです。
上司は部下の話を聞く機会でも有りますから、この機会を使うのは合理的と言えます。それ意外に、上司と一対一で話をする機会があれば、この限りでは有りません。ポイントは、上司のショックを和らげることにあります。
WHERE どこで
会社を辞めることは別室で伝えます。上司のデスクに歩いていって、「ちょっといいですか?」と突然切り出すのはやめておきましょう。
上に上げた、人事考課の面談の機会がなければ、上司に改めて時間を取って貰います。
「あの、少しお話したいことが有ります。本日のどこか、15分程度お時間をいただくことは可能でしょうか?」
などと伝えます。気の利く上司であればカンが働きこころの準備をします。
「改まっているな、何か大事な話だな、さては・・」
その際は別室でお話したい旨を伝えましょう。
HOW どのように?
あなたが転職先を決めている場合
私も転職経験者です。転職を決意した理由は仕事内容が物足りず、つまらなかったから。それを上司に伝えるときは以下のようにはなしました。
「実は退職を考えていています。転職先が決まりました。」
こう伝えると、それ以上は深い詮索はありませんでした。結局理由を尋ねられることはありませんでした。
転職先が決まっていない場合
転職先が決まってない場合は、辞める理由を考えておきましょう。まず、切り出し方ですが口調が大事。軽い口調では無く、しっかりとした意思を持って、ゆっくり、はっきり伝えます。
- 「実は・・・○月をもって退職させていただこうと思ってるんです」
- 「実は・・・退職を決意させていただきました。時期は○月頃をかんがえています」
退職時期を既に決めている、という固い意思を伝えつつ、トーンは「思っている」や「考えている」という少し柔らかめに、相手への配慮を残しています。
「退職させてください」という切り出し方はきつい印象を与える可能性がありますので避けます。
理由を用意しておく
上司は必ず理由を聞き、慰留します。そのことを想定し、無難な理由を用意しておくのもよいですが、なるべく本音を語るほうが円満に辞めることができそうです。どこでどのようにつながるかわからないので。
不満をストレートに伝えるのは、あまり良くありません。
会社側と上司にとって、部下が辞めるのは損失です。不満が解消されて、退職を思いとどまるのならば、不満解消に働きかけることは十分に考えられます。
その結果として、あなたが職場で再スタートできるならば、ハッピーですが、貴方は今の職場で実現できない何かを求めて転職するものと想定致しますので、引き止められない理由を用意致します。
例えば、円満に辞める理由としては以下のようなものがあります。
- 「家庭の事情で・・」(親の介護など)
- 「目指したいことが有り、今の会社では実現できない」
- 「ビジネスを始めたい」
- 「アーティストとして頑張りたい」
上記のような個人的な理由であれば、上司はそれ以上突っ込んでくることはできないでしょう。ここは改めて下の項で詳しく見ていきます。
小さい会社を辞める時のポイント
会社が小さい場合、直属の上司が社長であり、切り出しにくい、という悩みがありますね。30人程度の小さい会社など、言い出しにくさ満載ですね。しかし、だからこそ、先程のWHENが大切です。
小さければ、小さいほどいつ切り出すかが重要。小さい会社は採用力も弱く、後任を採用するのに労力がかかります。社長自らが採用活動を行うことも。
そのため、小さい会社ほど、退職を決めたら早い段階で切り出しましょう。可能であれば、半年前、最低でも1ヶ月前。
パートの場合の切り出し方
あなたがパートの場合でも基本は同じ。パートタイマー就業規則をまず見ましょう。そこには退職日の何日前までに言うこと、と明記してあります。それに沿って退職を切り出すのが、基本ですが、それにこだわらず、可能な限り早めに伝えます。
WHEN・WHERE・HOW、全て同じです。上司に、可能な限り早めに、個室などで、丁寧に伝えること。
辞める理由には気を使いましょう
あなたがパートの場合、近所の通いやすい会社などで働いていることと推察致します。
そのため、会社を辞めたあとのことも考えましょう。辞める理由を聞かれても、会社への不満や悪口は慎みます。不満があり、それを素直に伝えると、あとの関係性が・・という場合もかんがえられますので、個人的な事情にして置きましょう。
- 「親の介護」
- 「子供の教育が」
- 「他にやりたいことがある」
などですね。
会社を円満に辞める理由ランキング
では改めて、転職経験者が会社を辞める理由ランキングを見ながら、円満に退職する理由を上げてみます。
- 1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
- 2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
- 3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
- 4位:給与が低かった(12%)
- 5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
- 6位:社長がワンマンだった(7%)
- 7位:社風が合わなかった(6%)
- 7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)
- 7位:キャリアアップしたかった(6%)
- 10位:昇進・評価が不満だった(4%)
引用元:https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/4982/#01
リクナビネクストに掲載されていたランキングを引用しました。ランキング1位はやはり上司や経営者への不満が来ています。
3位も注目であり、人への不満がランキングしています。いかに、人のマネジメントが重要かということがわかりますね。
これらは確かに転職を決意する十分な理由になりますし、私が2社目を退職した理由はランキングの1位に該当致します。
しかし、これらは不満であり、そのまま伝えると円満退職には程遠いトラブルに発展することが予想されます。円満に退職するためには個人的な理由であり、納得感のある理由が必要です。
本当の理由は別にある場合、なるべく今の会社からかけ離れた理由を探すことが必要です。
- 別のやりたいことがあり、キャリアアップしていきたい
- アーティストになりたい
- 俳優・女優になりたい
- 労働時間・環境・通勤に時間がかかりすぎるなどの理由で体調を崩した
- 給与が低く、満足できない
- 親の介護が必要である
- 女性ならば、寿退社も
これらはすべて個人の事情に即しており、配置転換などで解決できるものではありません。
上司も部下の人生に責任をもてませんから、上司が「この理由なら、実現してあげられないな」と思う由が必要なんですね。
女性は本音を隠す!?
女性(もちろん男性も)が会社を辞める理由は様々です。しかし、一般的に女性は退職理由として本音を隠す傾向にあることは人事担当者としては感じているところ。
多くの女性が辞める理由として、語るのはライフイベントと掛け合わた理由です。
- 結婚・出産
- 引っ越し
など、耳タコ状態ですね。逆に、「人間関係がひどくて・・」などの理由を語る女性はあまりいないようにおもいます。
本当の理由はどういう部分にあるのでしょうか。実は興味深い調査がありますので紹介致します。
女性の離職理由で、新卒後の初職を離職する理由として最も多いのが、「他にやりたい仕事がある」でした。
確かに、女性の場合は一番円満に退職できる理由がライフイベントに絡めた理由なのですが、本音としては、実は仕事内容に不満を持っているケースがトップにきているのです。
女性の仕事への意識の実態を掴みづらくしているのは、ライフイベント、という最も納得感の出やすい隠れ蓑だったわけですね。
ちなみに、この調査では女性が理想のキャリアとして上げているのが以下です。
ライフイベントで結婚出産しても離職を望んでいない人が多いということです。企業はこここに着目するべきでしょう。女性が妊娠、出産で一時的に職場から離脱しても、継続して仕事を続けることができる環境を整えることは企業の底力を強くすることにもつながります。
さらに、管理職になりたいという意識を持っている女性も多いことがわかりました。

同調査では、管理職になりたい理由を聞いています。
- 収入をあげたい
- 仕事のやりがいをかんじたい
- 自己成長したい
- 責任ある仕事をしたい
- 働く以上当然めざしたい
- 主体的に仕事をしたい
- 仕事の視点をあげたい
- 地位や肩書がほしい
- 男性社会を是正したい
- その他
女性が管理職になりたい理由としては、収入が1位に来ているのは非常に切実です。
こちらの記事にも書きましたが、女性の収入は男性に比べて低い傾向にあります。
しかし、2位以下では女性の仕事に対する意識の高さが伺えます。企業では女性活用があまり進んでいませんが、まだ取り組んでいない企業は女性を積極的に登用するなり、施策をうつ必要がありそうですね。
まとめ
会社を辞める切り出し方はパートでも正社員でも同じでいつ、どのように伝えるかが、大事ですね。
小さい会社なら後任の確保に労力がかかりますから、なおさらいつ伝えるかが大事です。
転職者が会社を辞め、転職した理由のランキングもみてみました。やめる理由としては上司や人間関係上の不満が上位に来ています。
ですが、これらをストレートに伝えるのは早計です。円満に辞めるのなら、理由としては個人的な事情を伝えましょう。
女性が会社を辞める理由は、「ライフイベント」を理由にする人が多いが実態は異なることがわかりました。人事としては女性の積極的活用を意識した施策が必要であることがよくわかりますね。女性のあなたは、女性を活かそうという意識のある会社を選びましょう。